セクハラ疑惑のクオモNY州知事、被害者の生々しい証言

米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事(Photo by Dennis Van Tine/STAR MAX/IPx 10/12/17)

米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事に対するセクハラ疑惑が相次いで浮上し、最近も元側近2人から「セクハラを受けた」と告発された。これらを受けて、州上院の幹部は州知事の辞任を求めている。

クオモ州知事の元側近アナ・リスさんは、政策運営スタッフとして働いていた2013~2015年、州知事から不適切な発言と身体への接触を受けたとウォール・ストリート・ジャーナル紙に語った。リスさんいわく、クオモ州知事は彼女を「スイートハート」と呼ぶなど、「小バカにする」ような発言もあったという。また恋人はいるのかと尋ねたり、一度などはデスクから立ち上がった時に手にキスしたそうだ。さらにある公的行事の際には、クオモ州知事が彼女の両頬にキスし、腰に手を回してウエストをつかんだこともあった。

クオモ州知事の広報スタッフだったカレン・ヒントンさんは2000年、仕事のイベントの後に州知事から宿泊しているホテルの客室に来るよう命じられた、とワシントン・ポスト紙に語った。州知事は部屋の照明を落としていたという。ヒントンさんによれば、2人はしばらく言葉を交わした後、クオモ州知事は彼女を抱擁した。抱擁は「とても長く続きました。あまりにも長く、あまりにも強く、親密でした」とヒントンさん。彼女が逃れようとすると、州知事は彼女を引き寄せたという。

「知事は私を引き寄せて、もう1度抱きしめました」と本人。「その瞬間、このあとキスされるかもしれない、他のことにも発展しかねないと思ったので、体を引き離して立ち去りました」

さらに3人の女性がワシントン・ポスト紙に対し、クオモ州知事からしばしば恋愛生活について聞かれたと語った。彼女たちの言葉を借りれば、これは「女性の品位を貶める」職場文化の一部だったそうだ。

クオモ州知事はこれら容疑を否認し続けている。州知事の広報担当者は、女性たちのいうような出来事は「起きていない」と語り、州知事が女性の身体に触れたのは仕事の一部だったと釈明した。「州知事を14年間取材してきているレポーターやカメラマンは、州知事が男性にも女性にもキスをして、写真撮影に応じている姿を見ています」。クオモ州知事の上級顧問を務めるリッチ・アゾパルディ氏はこう言って、リスさんの主張を否定した。「建物の一般公開のレセプションでは数百人が集まります。州知事は何百回も写真撮影に応じます。政界の人間はみなそうです」

広報担当者はヒントンさんの主張についても否定し、彼女は「州知事を嫌っていることで知られた存在で、このタイミングに乗じて21年前の出来事をでっちあげ、だまそうとしているんです。どんな女性も自説を主張する権利があります――ですが、自発的動機の有無を判断するのはメディアの責任です。これはまったくいい加減です」

Translated by Akiko Kato

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