DEAN FUJIOKAが語る、ルールが変わった世界で表現する音楽と絵本

―今作に至るまでをお訊きしたいのですが、2020年はデビュー曲「My Dimension」を進化させた「Neo Dimension」をリリースされました。この曲はDEANさんの音楽活動にとってターニングポイント的な意味合いがあったのでしょうか。

今まで音楽を作ってきて、ツアーであったりライブを重ねてきた中で、自分の中での変化を明確に感じ始めていたタイミングで、アジアツアー(2019年開催の「DEAN FUJIOKA 1st Asia Tour 2019 "Born To Make History"」)をやったことがすごく大きなターニングポイントだったんです。海外で応援してくださっている方々や、日本で仕事をする前に色んなことをサポートしてくれた現地の人たちに、お礼をしにいくように、「元気でやってます、こういう音楽をやっています」と伝えるために中華圏や東南アジアをまわれたのはすごく大きかったですね。最後のジャカルタ公演を終えた翌朝、窓の外の景色を見て、「10年かかったけどやっとここまでこれた」という感慨深い瞬間がありました。自分にとっては「My Dimension」がスタートのシングルだったこともあったし、当時は自己紹介の気持ちを込めて歌詞も書いたので、ここで新しいチャプターがスタートすることを、言葉ではなくて音楽作品として形にしたいということが一番根底にありました。

―まさに新たなチャプターがスタートするというタイミングで、コロナ禍に入ってしまったという。

そうですね(笑)。東京をベースに音楽制作のやり方も少しずつ固まってきたところで、コロナで動けなくなって。そうなると自分が物理的にいる場所と自分との関係性を考えさせられますよね。2回目のアジアツアーとか、それまでに作っていた曲とかも多々あったんですけど、明確に流れが変わって。どういう形で音楽を作り続けて且つ発表し続けるのか? を考えたときに、「こういう状況で自分はこういうテーゼ、カウンターを打ちました」という形を2020年のうちに配信ライブで残しておかなければいけないと、春の段階でイメージしていました。

Rolling Stone Japan 編集部

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