岡林信康とともに紐解く、コロナ禍で生まれた23年ぶりのアルバム

(以下、インタビュー)

岡林信康(以下、岡林):アルバム自体はライブ盤とか出してたけど、全部新曲というのは23年ぶりでね。よくも23年間もサボっておったもんだと感心しております(笑)。

田家:これは作ろうと思って作られたアルバムですか? それとも何かに打たれたように曲ができ始めたというものなんですか?

岡林:そもそもの直接的なきっかけは、去年の4月か5月頃のある新聞で、コロナ禍で車の交通量も減って工場も止まったので北京に久しぶりに青空が戻ってきたという記事を読んだのよ。その時に、もはや人間は自然にとっていない方がいい存在になったのかな? 人間がいない地球はどうなんるんだろう? と想像しているうちに、これはひょっとしたら歌になるかなと思ったら、ポロッと「復活の朝」が出来て。それがきっかけやったね。



田家:ニュースを見てから曲ができるまではどれくらい時間があったんですか?

岡林:すぐ。コロナでライブ活動ができなくなってましたから。田舎だからそんな閉塞感もないし、散歩したり畑仕事やったりして誤魔化してたんだけど、やっぱりライブができないのはストレスやったろうね。そういうものが歌作りに向かわせてくれてたんちゃうかな。

田家:その後に曲が次々と出てくる時は、自分でも手ごたえがありましたか。

岡林:いや、私に何が起こってるんだろう、というかね。もう俺からは歌が出てこないと思ってたから。最後に歌を書いたのが10年ほど前に孫のことを書いた1曲きりだし。でも今まで作った歌が色々あるから、これからもう歌手としてやっていこう、作詞作曲の岡林信康は終わったんだな、と思ってたからね。歌がボロボロ出てきた時はびっくりしたよ。自分でも、おかしいな? って(笑)。

Rolling Stone Japan 編集部

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