大木亜希子と手島将彦が語る、エンタメ業界で生きるための精神とお金の話

左から、大木亜希子、手島将彦



大木:そのバリエーションが増えれば自己肯定感を持てるアーティストはもっと増えますよね。一方で、これに尽きると思うことがあるんです。それは、お金は絶対に必要だということ。

手島:まあ、そうですね。

大木:自分自身31年間の半分以上、芸能界に身を置いてきて、切実な問題として常に降りかかっていたことで。若い時はお金の稼ぎ方はよく分からないから、目の前の仕事を全部やることしか考えていなかった。誰にとっても柔軟な自我を手に入れるために、お金は本当に大事。これはカウンセリングの面でも捨てられないポイントじゃないかと思っています。

手島:その通りで、お金がないと荒みます。それは絶対に間違いない。何をやるにおいても、ある程度余裕がないときついですよね。音楽なんかは特にそうなんですけど、作る側だけじゃなくて、受け取る側の方との関係が大事で。例えば、アメリカや他の国では、有名じゃないけどストリート・ミュージシャンで生計を立てられている人がいっぱいいるわけですよね。みんなが投げ銭してくれる文化がある。無名な人であろうが、良いと思ったらお金を出す。それがあるかないかで随分違っていて。クリエイターの方が考え方を変えたり、アクションを起こすことも大切なんですけど、ファンと一緒に成長していけるような関係を促せる動きができたらいいなとは思いますよね。投げ銭的なシステムや方法が今はできてきて、可能性が広がってきているという面はあるとは思いますけど。

大木:ストリートで生計を立てられるアーティストがいるとお聞きして、自分自身もすごく励みになりました。いまは、日銭を稼ぐのに原稿料でお仕事をいただいている状況なんですけど、それが良いとか悪いとかじゃなくて、今の私の自分のやり方はこれでいいんだなって思えました。最近、noteというプラットフォームで有料サブスクを始めたら、数十人が一度に入ってくれて。それだけで生計を立てられるというわけではないんですけど、心の安定にすごく繋がりました。0よりは1億倍いいなって。芸術や、芸術に携わる人の立場を考える時に、精神論と同じくらい、経済面への対策を考えていかなきゃいけないですよね。

Rolling Stone Japan 編集部

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