大木亜希子と手島将彦が語る、エンタメ業界で生きるための精神とお金の話

左から、大木亜希子、手島将彦



大木:アイスランドで活躍している人たちの実例をとってみても、好きなことを仕事にしている人の多くはゾーンに入っているというか、没入感がアクティビティにある人が多いんじゃないかなと思うんです。私も「何者でもない自分」が恥ずかしいときがあって。アイドルを卒業したはいいけど、仕事を獲得するために悩んだり、収入が上がるのかなと一度詰んで心療内科に通うようになった。その後『29歳、人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』という記事を書いたときゾーンに入ったんです。他人からどう思われても、もう一切気にしない。私はただ、これを書くんですみたいな。それまで他者から評価されてなんぼだった自分にとっては、ブレークスルーというか。その記事がTwitterのトレンドランキングに入ったり出版依頼も来て。そこで実は見栄とか取っ払って、自分の好きなものとか表現したいことをバーンって出した時に強みが出るのかなと感じたんです。

手島:本当にそういうことだと思います。芸能界なんかは特にそうだと思うんですけど、どうしても他人の評価を気にして育ってくる面があるじゃないですか。でも、他人の評価って結構狭い範囲のことで。学校で言うと、勉強ができるか、足が速いか、先生の言うことをよく聞くのかみたいに、片手で数えられるぐらいの評価軸で競争している。でも、人間の要素ってそんなにシンプルなものではない。その評価上の競争だけに無理やり合わせちゃうと、合う人は無敵かもしれないけど、みんなが合うはずがない。そういう評価軸は音楽業界や芸能界にもあって、本来の良さを出せずに終わってしまう可能性が、すごくあると思うんです。

Rolling Stone Japan 編集部

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