大木亜希子と手島将彦が語る、エンタメ業界で生きるための精神とお金の話

左から、大木亜希子、手島将彦



手島:そもそも、他人は他人なので絶対に分かり合うことはないんですよ。そう思わないと、知らずに足を踏んづけちゃっているようなことが絶対あると思います。分からないことがいっぱいあると思っている方がいい気がしていて。特にカウンセリングはいろいろな人がいるよねという前提で行うものなので、いい悪いでなく、それが事実なのであまりジャッジしないんです。

大木:ただいろいろな人がいるという事実だけですよね。

手島:そう。事実を事実として見ないと絶対に歪む。お医者さんが「不安に対処するな」みたいなことを言うじゃないですか。それって本当に大事なことで、あるがままに不安を受け入れるというか、遠目で見ている感じが大事。不安って大体2つあるんですよ。1つは対処できる不安。例えば、防犯とか、防災とか、具体的に危機を未然に防げるもの。もう1個は蓋を開けてみるまで分からないもの。後者のほうが世の中には多いんですよね。物事は思い通りにいかないですから。それに関してはもう、不安を不安なまま感じるしかない。コントロールしようとすればするほどドツボにハマるみたいなところがある。

大木:未来がどうなるか分からない一番の例が、私の場合は恋愛だったんです。10代の時から女優業をやっていたので、これまで恋愛禁止だった期間も長くて、あまり人と深く関わった経験がなかったのですが。ある日、私の髪の毛がボサボサでジャージ姿で何も上手くいっていない自分に普通に接してくれた人のことを好きになったんです。上手くいっていた時は良いけれど、その恋愛が上手くいかなくなったとき、初めて自己の崩壊が起きてしまったんです。恋人って限りなく自分と近い他者なんだけど、理解できないし自分の想い通りにいかない。恋愛って、数をこなせばいいものでもないし、学校で教わるトピックスでもない。でも、人とのコミュニケーションを教わり、自分の至らなさや本当にどうしようもないことがあるんだよってことを知れる。コロナ禍で人との出会いが減って、恋愛に限らず人と関わることを恐れてしまうようなこともあると思うんですけど、不安をそのままにして、こういう人間です! みたいな自己開示できる自分でいたいし、周りの人にもそうあってほしいなとすごく思うんですね。

Rolling Stone Japan 編集部

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