大木亜希子と手島将彦が語る、エンタメ業界で生きるための精神とお金の話

左から、大木亜希子、手島将彦



手島:エンターテイメント業界って、若いうちに大人の社会の中に入っていく場合が多いじゃないですか。そうすると大人の言っていることが何となく全部正しいような気がしてしまうし、言いくるめられたりもする。自分のアイデンティティの形成途中で、いろいろなことがゴンゴンぶつけられてくるから、過去、現在、未来がぐっちゃぐちゃになっちゃう場所でもあるわけですよね。そもそも過去は変えようがないし、未来はよっぽどじゃないと予測がつかない。だから、今現在、どう感じて考えているのかを大切にすることが実は重要なんです。でも若いと、過去と未来の方に引っ張られちゃったり、大人がそっちに引っ張っちゃうこともあるのかなという気もします。

大木:自分自身の経験に基づいてお話をすると、アイドルの女性って先生がおっしゃったように若いうちから大人に揉まれているので、現場の状況把握能力が異様に高いんですよね。自分が何を求められているのか理解するのが早すぎて、求められる5秒前に出していくようなことすらある。それは訓練しないとできない一方、かなり疲労して自分自身を蝕んでいくケースもあるんです。それは私も2冊目の書籍『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』(祥伝社)でテーマにしていることなんです。

手島:最近学校で若い人と話していてよく思うのは、「将来の夢は?」と言われた時、職業名が出てきちゃうんですよね。それは一概に悪いことではないんですけど、そこに至るきっかけがあったはずなんですよ。歌うのが好きとか、踊るのが好きとか、人にちやほやされるのが好きでもいいんですけど、その出発点を見失って職業に合わせていくと、本来の目的とずれてきちゃう人も出てくる。別にミュージシャンじゃなくても歌えればよかったとか、必ずしも職業名=自分の夢ではないこともある。そこが落とし穴だなと思います。できれば働かないで暮らしたいとか、そういうのだって将来の夢だと思うんですよね。

Rolling Stone Japan 編集部

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