LVMH、ジェイ・Z所有の高級シャンパーニュメゾンの株式50%を取得

Dave M. Benett/Getty Images

ラグジュアリー最大手の仏・LVMHが“エース・オブ・スペード”ことジェイ・Z所有の高級シャンパーニュメゾン「アルマン・ド・ブリニャック」の株式50%を取得した。

ラグジュアリー最大手の仏・LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン グループ(以下、LVMH)は、ジェイ・Z(JAY-Z)が所有するシャンパーニュメゾン「アルマン・ド・ブリニャック」の株式50%を取得したと発表した。

スペードのエースのロゴマークから“エース・オブ・スペード”という名前で親しまれているアルマン・ド・ブリニャックは、フランスのキャティアが2006年に立ち上げたシャンパーニュメゾンだ。2014年には、ジェイ・Zがオーナーを務める会社が同メゾンを買収した。同メゾンのプレスリリースによると、アルマン・ド・ブリニャックは「世界的な成功を収め」、2019年の販売実績は50万本を超える。


アルマン・ド・ブリニャック・ブリュット・ゴールド


モエ ヘネシー(巨大コングロマリットLVMHの子会社)との今回のパートナーシップ契約の締結により、ジェイ・Zとモエ ヘネシーの株式保有率は50/50となる。さらには、LVMHがモエ ヘネシーの販売網を通じてグローバル展開を強化する予定だ。モエ ヘネシーは、ドン・ペリニヨンやクリュッグといった有名なシャンパーニュメゾンも所有している。

LVMHとジェイ・Zの関係者は、具体的な金額などは明かさなかったものの、ニューヨーク・タイムズ紙は、アーティストの楽曲の歌詞にヒントが隠れているかもしれないと指摘した。ラッパーのミーク・ミルの2018年の楽曲「What’s Free」のバースでジェイ・Zは「エース・オブ・スペードは“B(ビリオン/ビヨンセ)”の半額」と歌っているのだ。5億ドル(当時約500億円)で買収したエース・オブ・スペードのさらに50%は、2億5000万ドル(約265億円)だ。

「アレクサンドル・アルノー氏に始まり、氏の父であるベルナール・アルノー氏(LVMHのCEO)とフィリップ・シャウス氏(モエ ヘネシーのCEO)が引き継いだ今回のパートナーシップを通じて、ロサンゼルスの私たちのファミリーにアルノー家を迎え入れることを誇りに思います」と、ジェイ・Zは声明を発表した。「私は、このパートナーシップに終始親しみを感じてきました。モエ ヘネシーのグローバルな販売網、卓越した強力なポートフォリオ、長きにわたってラグジュアリーブランドを展開してきた素晴らしい実績は、アルマン・ド・ブリニャックのさらなる成長と繁栄に必要な商業力を与えてくれると確信しています」

「私たちはこの度、ジェイ・Zと彼のファミリーと対等なパートナーシップ契約を締結しました。これは、両者にとって素晴らしい物語の序章にすぎません」と、モエ ヘネシーのCEOのシャウス氏は述べた。「アルマン・ド・ブリニャックが現在そして未来のお客様にとってのラグジュアリーアイコンとなるよう、協力しながら着実にブランドを成長させていきます」

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アルマン・ド・ブリニャックをめぐる今回の取引は、ジェイ・Zがここ数カ月にわたって取り組んできた音楽以外の事業のひとつだ。昨年12月、ジェイ・Zが代表を務めるレコードレーベルのロック・ネイションは、米・大手出版社のランダムハウスとのパートナーシップ契約の一環としてRoc Lit 101という新しい出版社を立ち上げると発表した。Roc Lit 101は、今年の後半に初の書籍を刊行する予定だ。さらに昨年10月、ジェイ・Zは自身初のマリファナブランドMonogramをスタート。Monogramは、カリフォルニア州を拠点とする大麻企業Calivaとのジョイント・ベンチャーだ。


Translated by Shoko Natori

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