宮川愛李が挑んだ再起動、SNSを離れ自分の歩幅で表現した1stフルアルバム

ーSNSやYouTubeも、タイムラインやレコメンドもたくさん出てくるし、逆に自分が本当に好きなものを見つけにくいですよね。Twitterのタイムラインでバズった面白い動画だって、一時間後には自分の中でそんなに覚えてないこともあるだろうし。そういう中で、自分の好きなものや、やりたいことを見つけるのって難しいですよね。

私も最近になって、SNSでの情報量の多さとか、嘘か本当か分からないこと、興味を引くものも多すぎて、何が本当に面白いとか本当に好きなものが分からなくなったりすることもあって。長くSNSと関わっている中で疲れが出てきてしまったんですよね。そもそも私は中学生の時にTwitterを始めて、ただ単に自分のしたことをツイートして、兄(宮川大聖(みやかわくん))と一緒に自分が楽しいと思う動画を作ったり、配信していく中で集まってきてくれたのが、今のフォロワーさん達だったんです。でも、コンテンツが増えてきた中で、毎日自分が前に出ていかないのは、性格的にあまり向いていなくて。私は私のペースで、自分の歩幅で表現活動をする、というのが性に合っていると思って。今はこうやって音楽をやりたいっていう強い想いができたからこそ、SNSで感じていた息苦しさへの怯えみたいなものが薄れていって。音楽で表現をする機会をたくさんもらえて、憧れているアーティストの方々とコラボしたりする機会をいただけた中で、どんどん自信がついたというか。表現に対する強みが持てたので、自分の曲が聴いてくれる人にちゃんと届いてほしい、という想いでやれている。今の活動にとても満足しています。



ーSNSやYouTubeでコンテンツやクリエイターが山ほどいる中で、競合して自分を表現していくのって精神も体力も消費しますよね。そういう場所から一旦外れて、新しい、もっと自分のペースでやれる表現として音楽に出会ったと。

SNSでは素の自分を出しきれない部分も当然あるじゃないですか。そういう息苦しさから離れて、音楽面の私という表現をできるということが、新しい空気が入ってきたように気持ちよくて。今は新鮮な気持ちで活動ができています。音楽活動を通じて、初めて自分の表現というのを表に出せた。今はとても充実しているし、音楽の経験をどんどん自分の武器にしていきたいんです。

ーそういう意味でも、今作は『Reboot』というタイトルなんですね。このアルバムを作る中では、自分の課題点も見つかったんですか?

だいぶ見つかりました。歌唱の面もそうですし、作詞の面でも非常に行き詰まりやすいて、スランプに陥りやすいとか、そういう部分が明確になったんです。今後の作詞だったり、作曲を手掛ける時の課題なんですけど、一曲一曲に対する曲の理解や、寄り添い方が曲によってそれぞれバラバラな時があって。この曲はどう歌っていいか分からないって悩んだり、今回は特にそういったことが多かったので。そういった部分は自分がこれから活動を続けていくにあたって、もうちょっと器用にこなしていきたい部分ですね。でも、重く考えた課題だけでなく、世界観の幅を広げたいとか、次はこんなことをしたいというモチベーションに繋がる感情も出てきているので。いい意味でも悪い意味でも、大きい課題が見つかってよかったです。次に繋がるやる気にもなりますし、大事だなと思いました。

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