Mr.Childrenの「読むベストアルバム」と共に30年の軌跡を振り返る



2014年のシングル『足音 ~Be Strong』、アルバムは2015年の『REFLECTION』ですね。第七章が「sign」で2004~2007年、第八章が「GIFT」で2008~2010年、第九章が「擬態」で2010~2012年、第十章「足音 ~Be Strong」が2013~2015年、第十一章「himawari」が2016~2018年という章立てで、その時期に何があったのかという話が書いてあります。

例えば「擬態」が収録されたアルバム『SENSE』のリリース時期には、なぜ全く取材を受けなかったのか? 2011年の東日本大震災のときには彼らがどんな話し合いをしたのか? 2015年の『REFLECTION』の時期に、なぜ小林武史さんから離れたのか? などが書いてあります。でも、なぜだったのかという断定的な答えは書いてない。そこは聞き手に委ねられている。本のタイトルでもあるように一つの道標ですね。Mr.Childrenはどういうバンドで、その頃に何を考えていて、それをどうやって作品に反映させていったのか? ということの道標になる本です。こんなに色々なことを考えながら、自分たちを見失わずに活動している内省的なバンド、ということがよく分かります。Mr.Childrenは自分たちのことを語る人たちではないので、こういう音楽本があるべきだなと思いました。

Rolling Stone Japan 編集部

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