Mr.Childrenの「読むベストアルバム」と共に30年の軌跡を振り返る



Mr.Childrenの1994年6月発売になったシングル『innocent world』。この年の年間チャート1位でした。『Mr.Children 道標の歌』第二章のタイトルがこの曲です。これまでMr.Childrenは、『Mr.Children 1992-1995』と『Mr.Children 1996-2000』、『Mr.Children 2001-2005 』と『Mr.Children 2005-2010 』の二作のベストアルバムをリリースしています。もちろん全曲ではないですが、その中で聞ける曲のエピソードが紹介されてます。「読むベストアルバム」ですね。

この「innocent world」の章は、1993年から1994年の二年間だけ。「君がいた夏」は4年間のことを綴って20ページですが、この章は2年間で28ページ。如何に激動の時期であったかということですね。「innocent world」の前には、「星になれたら」や「CROSS ROAD」という「innocent world」に続く曲も紹介されていて、「innocent world」と「Tomorrow never knows」の制作秘話も掲載されていましたが、これが圧巻でした。「innocent world」は新宿のヒルトンホテルで書かれた、伝説のヒルトンレコーディングだった。部屋の中に機材を持ち込んでいた、という話が克明に書いてあります。「innocent world」の歌詞はどこで書かれたのか? 桜井さんが帰宅中に、制作中のカセットを車で聴いていて、環七と早稲田道路の交差点あたりで車を止めて、思いついたことをメモした。それが歌詞になっていると、46ページに書いてあります。それをヒルトンホテルの部屋で聴かせた時に、田原さんが「こんなに本音を見せちゃうんだ」とびっくりしたというメンバーの話も載っています。

一方、「Tomorrow never knows」は名古屋のホテルで書かれたんですね。その時の部屋の様子や、録音するものがなかったので部屋のビデオカメラに録音したという話もありました。「Tomorrow never knows」はもともと金のシャチホコというタイトルだったという話も出ておりました。小貫さんはずっとMr.Childrenを取材しているので、その時に聞いていた話がいっぱいあるわけです。それを今改めて整理してこの本に納めたんですね。第二章は、こんな風に締められています。「彼らは勝利も敗北もない、孤独なレースの意味にはまだ気付いていなかった」。そして第三章はこの曲がタイトルです、1996年2月に発売になった「名もなき詩」。

Rolling Stone Japan 編集部

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