コロナ禍で大きく浸透したClubhouse、人々が没頭する理由とは?

現在200万人以上のユーザーで流行の最先端を行くこととなったClubhouseは、同様に最先端の文化戦争の火薬庫にもなっている。その中身は検閲、オンラインハラスメント、そしてビッグ・テック(Google、Amazon、Apple、Facebook、Microsoft)の遠大な力などだ。その成長はオプラ・ウィンフリーやイーロン・マスク、トランプ前大統領の政治顧問ロジャー・ストーンらが意欲的に用いているという点からも明らかで、約一年に渡るロックダウンの中で、会話欲に飢えた一般人たちにおいても大きく浸透した。現在、FacebookやTwitterといったサービスは、積極的にClubhouseを模倣し、音声によるフィーチャーをその数十億のユーザーに施している。まるでここからオンラインライフの未来の姿が見て取れるようだ。

Clubhouse内の多くのルームがビジネス、投資、企業活動や仮想通貨といったトピックを掲げている。しかしそれだけではない。人種問題や、音楽・芸術に関する議論、LGBTQ+の権利について、政治問題のルームも多数だ。ある黒人のシンガーたちのグループは、ルームを通してミュージカルをやってのけた。ユーザー数が厳しくコントロールされているとはいえ、誰もが参加できるようになるまではさほど時間がかからないだろう。既存のユーザーは友人を招待することができ、招待状はEbayで97ドルで取引されていた。

誰もが仲良く、というわけでは決してない。数え切れないほどのトロール行為、ハラスメントの告発、レイシズム、セクシズムがある。それぞれのルームにはモデレーターがおり、ユーザーたちは違反行為を報告することができるが、リアルタイムでの会話は悪い方向へ向かいがちだ。技術者の黒人女性は、リッチな白人男性風の雰囲気は排他的だと語った。アンチ・ユダヤのような雰囲気も問題だ。ある企業のCEOは「なぜユダヤ人を嫌っていいのかということについて話す人たちの部屋」というルームを開いて、すぐアプリからログオフしたようだ。ある女性は、ルームでミソジニーについて発言してから男性たちにターゲットにされるようになった、と米ニューヨークタイムズ誌に語った。

Translated by Kazuhiro Ouchi

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