BABYMETALが語る、ヘヴィメタルから教えてもらったこと

ブリクストンで披露した「Road of Resistance」

ーダウンロード・フェスティバルの創始者でありメインのブッキング担当、アンディ・コッピングは以前「(他の国に比べて)日本のメタルファンは忠誠心とリスペクトがある」と語ってくれたことがあるんですけど、そのへんはどう思いますか?

SU-METAL:海外のライブってすごい自由なんですよ。国にもよるんですけど、ファンの人が曲のノリを生み出すというか。今まで私たちのライブで一回もやったことがなかったのに、気づいたらお客さんが座って一斉にジャンプしてたり、みたいな。お客さんとライブのノリ方を毎回作っていってるみたいな感覚が多いんですけど、日本のファンの方は私たちがやりたいことをやらせてくれる気がします。私たちがここで見たいと思った景色をちゃんと見せてくれるというか。そして、みんなで音楽を楽しんでる。私たちのパフォーマンスだけじゃなくてみんなで作る「場」っていうものを楽しんでるんじゃないのかなっていう印象があって。海外で盛り上がっているBABYMETALのライブの様子ってYouTubeでも見れるじゃないですか。だから「日本のファンも負けてられないぞ!」っていう感じで、日本に帰ってくるとすごい熱量なんですよね! 闘志を燃やしてる感じが伝わってくる。

MOAMETAL:SU-METALが話してるのを聞いて、そういう部分が忠誠心なのかなという気もしました。あと思うんですけど、海外には有名なメタルフェスがいくつもあって、そういったフェスツアーが出来るのに、日本はまだ少ないじゃないですか。メタルのファンの人がたくさん集まるフェスやイベントが増えればいいなって思います。

ー2014年11月の英ロンドン・ブリクストンアカデミーのステージで初披露した「Road of Resistance」についてMOAMETALさんは「初めて聴いたときに自分なりに“めちゃめちゃメタルだな”って思った」と回想しています。この頃になると「メタルは耳で聴くのではなく、心で聴く」ということも、すごく実感を伴ったものとして自分たちの中にあったのでは?

SU-METAL:ブリクストンのライブはお客さんの熱量が本当にすごくて、私たちのことを知ってくれて、BABYMETALが観たくて来てくださった方たちばかりで。そんななかで「Road of Resistance」を披露した時に、この曲の意味が理解できたんです。それまで1年間、海外をまわってきて正直アウェーみたいな状況だったわけですけど、会場のお客さんがみんなで私たちの歌を歌って後押ししてくれた。そして、私たちがこれから進むべき道は道なき道なんだ、っていう歌詞の意味までしっかり入ってきたんです。メタルの曲って、ライブでこそ意味がわかるというか。耳で聴く音楽じゃなくて、自分の心と体で体感できるものなんだなって。私たちが何を託されているか、自分たちが今後やらなきゃいけないこと、いろんなことを瞬時に吸収しましたね。

MOAMETAL:私もブリクストンでの「Road of Resistance」は本当に記憶に残ってますね。初披露なのに盛り上がって、しかもみんなで肩を組み合って体をぶつけ合って楽しんでる様子を見て、メタルって耳じゃなくて心で聴いて、心でぶつかり合って楽しむ音楽なんだなってことに気がつきました。「Road of Resistance」の間奏の部分、みんなで歌うところがあるんですけど、別々の国の人たちが一緒に楽しめることがすごく楽しいって思ったし、みんなで一つになりたい、みんなで一つの曲を作ろうっていう感覚がすごく快感で、幸せな瞬間でした。

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