ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードが選ぶ「歴代最高のアルバム」10作

1. ブラック・サバス『黒い安息日』(原題:Black Sabbath、1970年)


彼らは俺の地元の連中で、プリーストと同じ地域の出身だ。文字通り、俺たちは一緒に育ったし、愛して止まない音楽ヘヴィメタルを一緒に考案した。『黒い安息日』を選んだ理由は、多くのバンド同様に、1stと2ndアルバムはそのバンドの方向性を決定づけるからだ。プリーストで言えば『ロッカ・ローラ』と『運命の翼』だ。この『運命の翼』はバンドの音を決定づけたアルバムだから、俺たちは今でも大いに気に入っている。一方、ブラック・サバスだと、『黒い安息日』がヘヴィメタルのサウンドのあるべき姿を具現化した最初の例だった。テクスチャーも、トーンも、構成も、楽曲すべてがそうだ。そして、オジーの唯一無二の声も。ブラック・サバスのディスコグラフィでこれが非常に重要なアルバムになった。



2. レッド・ツェッペリン『レッド・ツェッペリン』(1969年)


このアルバムにはブルースのヴァイブを色濃く示すヘヴィでハードなロックの変遷を見て取る。それに彼らはバンドとしてのキャリアの始まりにブルースがあったと正直に認めていた。



3. クイーン『クイーンII』(1974年)


昔からクイーンの大ファンだ。俺が聞いたクイーンのアルバムにはそれぞれに異なるキャラクターとアイデンティティがあって、その点ではプリーストと同じだ。かつてエレメントの部分でプリーストとクイーンは似ていると言ったことがあるのだが、その理由はプリーストにも二つと同じアルバムがないからだ。クイーンも然り。彼らの2枚目のアルバム『クイーンII』はそれを物語っている。『クイーンII』を作る頃のクイーンは非常に大胆になっていた。彼らの音楽風景が広がっていた。彼らの音楽はとてつもなく大きな景色を網羅していたのだ。特に歌声の点では、メンバー全員で驚異的なハーモニーを作り上げた。俺がクイーンを愛するもう一つの理由がそれ。つまり、全員で歌っているということ。ロジャー(・テイラー)とブライアン(・メイ)がメインで、ときどきジョン・ディーコンも入る。シンガーである俺にとってクイーンのボーカルが与えたインパクトは計り知れなかった。本当にたくさんの事を教えてもらったよ。

Translated by Miki Nakayama

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