レッド・ツェッペリン、熱狂的ファンも称賛する「1975年の最長ライブ」を回想

レッド・ツェッペリン

レッド・ツェッペリンが1975年、ロンドンのアールズコートで4時間近くプレイした「最長ライブ」を振り返る。

【動画を見る】1975年のツェッペリン史上最長ライブ(フル)

ツェッペリンの場合、“極上の瞬間”とファンが満場一致で認める決定的なコンサートは存在しない。1977年のLAフォーラムや1979年のネブワースのようにバンド後期のライブを好むファンもいれば、1969年のテキサス・インターナショナル・ポップ・フェスティバルや1970年のロイヤル・アルバート・ホールが良いというファンもいる。また、レッド・ツェッペリンは最も海賊盤が出回った70年代のバンドの一つで、巷のライブ音源数も半端ない。

そのなかで、熱狂的なツェッペリン・ファンのほとんどが確実に称賛するのが1975年5月25日に行われたコンサートだ。場所はロンドンのアールズコート。演奏時間は3時間45分。録音が残っているツェッペリンの最長コンサートがこれだ(メンバーは1969年に行ったボストンのティー・パーティーでの4時間コンサートについて語ることが多かったが、このときはステージに頭を打ち付ける文字通りクレイジーなファンの前で、彼らは同じセットリストを2回繰り返し、カバー曲を多数演奏した。ところがこの模様は録音されておらず、メンバーの記憶よりも演奏時間が短い可能性が高い)。

このコンサートは1975年のツアーファイナルだったアールズコートでの5夜連続公演の頂点だった。このツアーでサポートしたアルバムは『フィジカル・グラフィティ』だったが、長時間セットで披露された楽曲はこのアルバムのみに留まらず、彼らの全作品から選ばれたもので「幻惑されて」も含まれていた。ちなみにこの曲がステージで演奏されたのはこの夜が最後で、再び演奏されたのは2007年の再結成ライブだった。「トランプルド・アンダーフット」「天国への階段」など、プロの撮影クルーが映画とポートレート写真を撮影し、この映像は2003年のDVDコレクションでも使用された。実はこの映画の音源自体は何年も前に流出しているのだが、そのサウンドの純度は相当なものだ。

Translated by Miki Nakayama

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