BTS事務所と米ユニバーサル、新人デビューに向けて提携

ビッグヒットを代表するボーイズグループのBTS(防弾少年団)(Photo by Big Hit's flagship band Big Hit Entertainment*)

新しいボーイズグループのメンバーは、2022年から放送予定のオーディション番組で選ばれる。これに合わせてビッグヒットエンターテインメントとユニバーサルは、米カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とするレーベルを立ち上げる。

世界最大手音楽会社のユニバーサルミュージック・グループ(以下、UMG)と世界的人気を誇るスーパーグループ・BTSが所属する韓国のビッグヒットエンターテインメント(以下、ビッグヒット)が新しいボーイズグループのデビューに向けて共同で新レーベルを立ち上げると、動画を通じて両社が発表した。

カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とする新事業は、ビッグヒットとUMG傘下のレコード会社・ゲフェンレコードによる取り組みとなる。両社が設立した合弁会社は、世界を舞台に活躍する新しいK-POPボーイズグループを2022年にアメリカでデビューさせる。新しいボーイズグループのメンバーになるには、グローバルオーディションを勝ち抜かなければならないと、ビッグヒットのグローバル部門のCEOを務めるユン・ソクジュン氏は発表した。ユン氏は、アメリカにおける同社の実行部隊であるビッグヒット・アメリカを介してUMGと協働するとも述べている。

ビッグヒットのねらいは、包括的かつグローバルな「エンターテインメントおよびライフスタイル・サービス」を提供することだと、ユン氏は昨年10月に本誌に語っていた。その一方、同社はテクノロジー、知的財産のライセンス、パートナーシップ、スピンオフコンテンツの予算をここ数年のうちに密かに倍増させている。

「何よりもまず、東洋と西洋を代表するふたつの世界的なエンターテインメント企業とともに仕事ができることにワクワクしています」と、UMG傘下のインタースコープ・ゲフィン・A&Mレコードの会長兼CEOを務めるジョン・ジャニック氏はコメントした。「ゲフィン・レコードは数多くの伝説的なアーティストによる豊かな歴史を持っています。ゲフィンのアーティストたちは、過去40年にわたって音楽カルチャーに多大なる影響をもたらしました。要するに、今回のプロジェクトは、互いに学び、挑戦し、各々の進化という新しいステージを形成するチャンスとなるでしょう」。ゲフィン・レコードといえば、ニルヴァーナ、アヴィーチー、オリヴィア・ロドリゴといったアーティストを輩出したレーベルだ。

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今回のパートナーシップに加え、UMGのサー・ルシアン・グランジCEOは、YungbludやAlexander 23といったアーティストをビッグヒットが運営するアーティストとファンをつなぐインタラクションアプリ「Weverse」のラインアップに加える予定だと明かした。

UMGがビッグヒットのストリーミングプラットフォーム「VenewLive」に出資したというニュースからわずか1週間後に発表された今回の戦略的パートナーシップは、両社の結びつきをさらに強固にするだろう。

グランジ氏は、WeVerse向けにキュレーションされたパフォーマンスにUMGのアーティストを起用するとも語った。「このテクノロジーには、アーティストとファンの両方のメリットになるポテンシャルがある。私たちは、以前からそう気づいていました。これはつまり、アーティストと彼らの音楽、そしてファンを斬新で魅力的な方法でつなぐ新しいプラットフォームやビジネスモデルを支援することでもあるのです。私たちは、ビッグヒットとこのビジョンを共有しています。彼らは、私たちにとって理想のパートナーなのです」

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ビッグヒットの会長兼CEOを務めるパン・シヒョク氏も次のように言い添えた。「UMGと私たちには、多くの共通点があります。それは、イノベーションの探求からファンのみなさまに妥協を許さない最高レベルの本物の音楽とコンテンツを提供することです。UMGとビッグヒットによるグローバル市場での新しい冒険をどうか楽しみにしていてください」

From Rolling Stone US.

Translated by Shoko Natori

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