コロナ禍で世界進出した日本人アーティストから探る、アフターコロナの音楽シーン

ーDANTZさんは長年EDMやHOUSEなどのダンスミュージックを作られてきたので、Lemon Soda Musicからリリースされたのがロービートの楽曲だったことが意外でした。ファンの方々からはどのような反応がありましたか?

DANTZ:日本のファンの方々からは「今っぽいね」や「そういう方向で来たんだ!」といった声が上がっていましたね。

ーそもそも、ロービートの音楽に転向したきっかけはどのようなものだったのですか?

DANTZ:一緒にお仕事をさせていただいていたA&Rの方から「HIP HOPに手を出してもいいんじゃないですか?」と言われていたんです。でもその時は、HIP HOPをそこまで知らなかったし、そこまで能動的に聴いてはいなかったのでピンと来なかったんです。でもそのちょっと後にEDM的な音楽に飽きてきて、新鮮さを感じなくなってしまって。DJも曲作りも、行き詰まってしまったんですよね。その時に、A&Rの方の言葉を思い出してHIP HOPをチェックするようになったんです。色々な曲を聴いていくうちに、HIP HOPがすごく自由な音楽であることに気づいて。

ー自由とは具体的にどのようなことでしょう?

DANTZ:HIP HOPのアーティストは色々な音楽の要素を取り入れてたんです。Future Houseが流行っている時はそれを取り入れている曲も多かったし、Trapを取り入れている曲も多いですよね。ビートもすごく自由。EDMだとBPM128がベストだったり、一定のルールのようなものがあって。DJプレイに関しても、「このタイミングで繋がないといけない」などのルールがあったり。僕はNujabesさんが好きなのですが、彼のように形にとらわれないロービートを僕も作ってみたいと思ったのが大きなきっかけですね。それで、勉強しようとHIP HOPのDJスクールに通ったりもしたんです。アメリカに行くきっかけも、ロービートの音楽を本気でやりたいと思ったからです。でも僕はHIP HOPの歴史もまだまだ勉強中なので、広い意味で「ロービートの音楽」として取り組んでいこうと思っています。

ー作曲の手法も、ダンスミュージックとは違うんですか?

DANTZ:そうですね。自由度が高い。自分がこれまでにやってきた音楽も取り入れていけるので、可能性が広がりました。

Rolling Stone Japan 編集部

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