古川本舗が語る、5年ぶりの活動再開と自主レーベル立ち上げの理由


ー「色恋の歌」とおっしゃいましたが、「知らない」は恋について描いた曲ですよね。歌詞には猫も出てくる。「恋」と「猫」という、この二つが曲のモチーフになっていると思うんです。その理由についてはどう思いますか?

そこまで意識をしていたわけではないと思うんですけど、活動を実際にしてない時、自分の中にあったのがたぶん恋と猫しかなかったんだと思います。なんだろう……まず猫って、生き物として一緒にいると特に思いますけど、平たく言うと、わがままなんですよね。人間だったら、一緒にいる相手のことを考えて自分の挙動を変えたりするじゃないですか。でも、こいつらは当然、そんなことは一切しない。そういうわがままな生き物がずっと近くにいる状態って、なかなかおもしろくて。いろいろな反応を見る時と、自分の発想にはない行動をとったりもするわけですよ。めちゃくちゃ怒って噛みついてきたかと思えば、その次の瞬間に喉をゴロゴロ鳴らしていたり、その瞬間の感情の移り変わりに素直に生きている。そういうところが創作のヒントになったりするのかもしれないです。

ー恋に関してはどうでしょう?

色恋は多い方ではないと思うんですけど、題材としてやっぱりおもしろいとは思ってますね。たぶん、相手のことを思ったり考えたりする恋というよりは、誰かのことを好きになることで「この人のどこが好きなのか」とか、逆に「この人と考えが合わないのはなぜなのか」とか、自分がどういう人間なのかを考えることが多くて。そこから「考えがずれているからもう付き合えない」のか、それとも「ここは嫌いだけど人として好きだから一緒にいたい」とか、そういうようなことも考えたりする。人のことを好きになったり、嫌いになったりする過程って、複雑怪奇なわけじゃないですか。人によっても違うし、相手によっても違う。そこは尽きることがない題材と思っているところがあるのかもしれないです。

Rolling Stone Japan 編集部

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