古川本舗が語る、5年ぶりの活動再開と自主レーベル立ち上げの理由


ーこの「知らない feat.若林希望」という曲はどういうモチーフ、どういうアイディアからできていったんでしょうか。

今回はアルバムというものを目指して制作をしているわけなんですけど、基本やっぱり夜作ることが多くて。創作意欲が全く昼に湧いてこないというのもありますし、思い切って「夜」というものをコンセプトに作ろうというのがあったんです。部屋で憂鬱にしてたり、ぼーっとしたりすることが多いんですけど、そういう時に邪魔にならないというか、いい感じのBGMであるものが自分にとっての理想の音楽であるというのをこの5年で感じていて。音楽を聴く上で、曲やアーティストに向き合って聴くという環境に、僕としてはどうしても居心地の悪さを感じるところがあるんです。なんだけど、たとえば「お酒を飲んでる時にかかったら、最高にいい」みたいな機能を果たしてくれる音楽に魅力を感じるんですよね。それが「Lifetime SoundTrack」というレーベルのコンセプトにも繋がってくるんですけど、たとえばこの場面でこの曲がかかってると、景色が綺麗だったり、酒が旨かったり、自分が主人公っぽくなったりする。そういうふうに人生のいろいろな情景を彩る機能を自分は音楽に求めていて。それでいくと、夜にもいろいろなシチュエーションがあるわけなので、そのシチュエーションに合うものを作ろうというところが発想の起点だったりはしました。



ー制作にあたっては、先に曲を作っていったんでしょうか、それともヴォーカリストとの出会いが先にあったんでしょうか?

今回は、わりと意識して半々にしてますね。今までは曲を先に準備して、どういう声が合うかを考えて作っていったんです。でも、今までやってなかった取り組み方をしようと思っていたし、5年休んだのに出来ることは前と一緒というのはありえないなと思って、そこは自分の中の課題として取り組んだりはしました。「とにかくこの声が好きだから、この声に合う曲を作りたい」という考え方で曲を作ったパターンもあります。

ー若林希望さんとはどういうきっかけで出会ったんでしょうか。

もともと若林の存在自体は5年ぐらい前に知っていて。彼女は自分でYouTubeに弾き語りの動画とかオリジナル曲とかを投稿していたんです。プロとして活動したいという意思があってそうしているというわけではなく、フラットに上げている子で。それで僕の曲を弾き語りしてくれているのをたまたま聴いて、それがめちゃくちゃよかったので記憶していたんです。で、いざヴォーカルを探そうという時に真っ先に思い浮かんだんで、Twitterでお声がけしました。

Rolling Stone Japan 編集部

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