哀川翔が還暦前に語るターニングポイント ドラマ『とんぼ』からVシネマ、プロレスまで

―それが、『ネオチンピラ 鉄砲玉ぴゅ〜』主題歌の「どしゃぶりの胸」ですね。聴いてみると、当時は長渕さんの影響をすごく受けていらっしゃったように聴こえます。

あれは、作詞作曲が伊丹哲也さんなんですよ。だから、長渕さんというよりは伊丹さん節っていう感じなのかなって思いますけど。歌いまわしとか、特別意識してるわけじゃないんだけど、やっぱり自然と出るんだろうね。

―『とんぼ』の直後ということもあって、そのイメージが大きいですよね。

それは絶対ある。ものすごく聴きましたもん。『昭和』(長渕剛1989年のアルバム。「とんぼ」も収録されている)もめちゃくちゃ聴いたしね。あの辺の長渕さんのアルバムはすごく聴きましたね。



―当時、長渕さんのコンサートに飛び入りして「とんぼ」を一緒に歌ったことがありましたよね。

ああ、歌いました。いきなり呼ばれてびっくりして。

―その時代は、俳優業と音楽を並行してやろうとは思わなかったですか。

俳優業をやり出してからは、音楽の方は回らないというか、できないですよ。Vシネマの撮影には、だいたい3週間から4週間かかってましたから、そうするとほとんど毎日なんですよね。だから他をやる時間がないというか。一番多い年で、主演が10本で助演が12本やった年があって、そのときは320日現場でしたよ。音楽どころじゃないよね(笑)。

―それは無理ですね(笑)。逆に、残りの40日ぐらいのオフは何をしていたんですか?

もうほとんど気絶ですね。なんかね、夢を見るんですよ。「寝ながら撮影してる」っていう(笑)。もう駄目なんですよね、そうなると。寝ながら「よ~い!」ってカチンコが鳴るんです。それで、夢の中で「あれ? 寝てるシーンあったかな?」みたいな。これはもう末期なんだなって、ちょっと休みを入れなくちゃって(笑)。ただ、子どもの夏休み、冬休みには休みを取るようにしてたんですよ。そこが40日間。他はほぼ休みがないというときもありました。まあ、よくやったなと思います。

Rolling Stone Japan 編集部

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