ファーストサマーウイカが語る、「何も極めていない」からこその強さと変わらぬ音楽愛

ーさっき言ったポップなセンスの部分も、そういうバックグラウンドも、ウイカさんのソロ音楽活動の武器になるのかなと思うんです。

今やってることはカルチャーを作ろうとか流行らせようというよりも、これまでの活動を経て、今の私が、自分が素敵だなと思う誰かと作り上げるもの、私の等身大からできる私の作品が作れたらいいなと思っているんです。そうやって今活動しているところが、今までとは違うかもしれないですね。

ー私の作品、というのはすごく素敵な言葉だと思うんです。ウイカさんがBiSで活躍されていた同時期だと、元でんぱ組.incのねむきゅん(夢眠ねむ)も、今は夢眠書店という本屋さんをやっていて。そうやって自分の場所を大事にしていく傾向ってすごくいいなと思うんです。人生って長いから、ある一瞬だけで終わるわけではないですし。

そうですね。私もアイドル時代からねむきゅんのプロデュース能力や、セルアウトする力みたいなものを感じていて。やっぱりアイドルとしてある種の頂点まで上り詰めて、そこから本屋さんという全く違う業種にシフトしたのは、私もとても力をもらったんです。私は何も極めていないし、今後も頂点に立つことはない気がするんですよね。私は固まった肩書きがないし、何でもやるけど、一方で、何でもない人だなという感じもするんです。だから、挑戦し続けて、何を成し遂げられるのかわからないけど、その姿を見た人がもう一回挑戦してみようかなとか、クヨクヨしてるものが吹っ飛んでくれたらいいなと思って。私はそういう先輩たちから力をもらったので、それをまた次の世代に返していけたらいいなと思いますね。

ーこれまで一人でバラエティや演技もしてきて、ようやくソロデビューで音楽のピースも埋められたと思います。あとは本当コロナの状況次第だとは思うんですけど、今後は音楽アーティストとしても、積極的にやっていこうとお考えですか?

私は音楽の知識もそれほどなければ、音楽がないと生きていけないというほどじゃない気がするんです。もちろん音楽が大好きだけど、音楽とかエンターテイメントを作る構成、過程、そして結果を見て皆で喜びを共有したりとか、感動した、楽しかったっていう皆の反応のリターンを見ることに喜びを感じていて。私のやることが誰かの力になれたという実感、それが全てなんですよね。例えば、私にすごく画力があったり、絵を描くことが好きだったら画家でもよかったと思うんです。でも、ステージ上でのパフォーマーとしてでしか私は楽しい工程を達成できないと思って。私はステージに立ち続けることでしか自分を幸せにできないし、人に幸せを与えることもできないかもしれないって気づいたんです。今後も、音楽シーンの中で私がやる意味を探しつつ、私がいたからこそ生まれた音楽にアイデンティティを感じて、誰かと曲を作ってたりして、音楽シーンで何かを作っていけたらいいなと思いますね。私は何でもないからこそ、変にこだわりを持ちすぎず、フットワーク軽く楽しんで音楽をやりたいです。

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