ファーストサマーウイカが語る、「何も極めていない」からこその強さと変わらぬ音楽愛

ーBILLIE IDLE®は1980年代がコンセプトのグループでしたが、今考えると少し早いグループだったのかなと思うんです。最近は1980年代のシティ・ポップが海外で人気ですけど、それはBILLIE IDLE®がアプローチしていた部分でもあるなと思って。

BILLIE IDLE®がそれをやりだしたのは5年前くらいですね。そこから2、3年経ってからアイドルシーンやポップスシーンでも80’sっぽい音楽とか、VHSみたいな映像が増えてきて。BILLIE IDLEのプロデューサーのNIGO®さんは、常に時代の先を行ってシーンを作る人だったけど、でも消費者は同じ速度感で動いていないわけですよ。だから、私たちがやってたことは間違ってないと思うし、第一期BiSもBiSHがあれだけ売れたのを考えると、やらせてもらっていたことはやっぱりどちらも全く間違ってなかったと思うんですよね。それを先に体験させてもらったと思うとすごく貴重なことだし、皆の記憶の中でも廃れることがないと思うんです。

ーそうやって、ウイカさんの活動のルーツにもなっていたわけですよね。

自分がソロで歌ったりと音楽を続けることによって、自分のルーツとしてBiSやBILLIE IDLE®を辿ってくれる人がいてくれれば、BILLIE IDLE®はあの時代でこんなことをやってたんだ、BiSってBiSHが出てくる前からこんなことやってたんだって、あの時の輝きが残り続けるから。自分が何か発信し続ける、進み続けることによって、歴史も脈々と息が続いていくんじゃないかな。それも音楽を続ける一つの意味だと思います。



ーファーストサマーウイカという看板でやってきたことは、変わらないままですもんね。

そうですね。バックボーンを辿っていくと、私がファーストサマーウイカを名乗る前は役者をやっていて、そのときの劇団にもまだ籍を置かせてもらっているんです。でも、私を知った人が、私を辿ってくれたときに、その劇団にも興味を持って見に行ってみようかなって思ってくれたら、それだけでも何か還元できると思うんです。ファーストサマーウイカという名前でメジャーデビューさせてもらって、そこからちょっとずつ裾野が広がっていったんで。せっかくだったら原点まで辿っていって、いろんな広がりも持ってくれたらいいなと思いますね。私は肩書きが何でもない人だから、ファーストサマーウイカがその役割を担ってくれたらそれでいいかなって。

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