I Don't Like Mondays.が語る、パブリックイメージへのカウンターで生まれた5曲

ー「ENTERTAINER」の冒頭もインパクトがありますよね。どれだけ好きで付き合っていても、別れた途端に相手は淡白になるっていう。恋愛のロマンチックな面だけを描いてないのが良いなと思ったんです。他のバンドが「ENTERTAINER」のような曲を作ろうとしたら、おそらくキレイにまとめちゃうじゃないですか。

YU:そうなんですよね。今までの俺もそうだったのかもしれないです。メジャーからリリースされて色んな人に聴かれると思ったら、一歩踏み出せない自分がいた。これまでは陰と陽でいうと、陽の部分を中心に表現してきたんです。だけど陰にフォーカスを当てるようにしたら、そっちの方が自分だなと思ってしっくりきました。ただ、自分の愚痴だったりネガティブなものを吐き出すだけの捌け口にはしたくないので、聴いた人の気持ちをポジティブに変換できるようにするのが今、自分の目指したい形だなと思ってます。いやぁ……。そういう意味でも変革の年でしたね。



ーとはいえ、せっかくI Don’t Like Mondays.が新しい試みをしても、メディアがちゃんとキャッチできてない気がして。先日、とある記事で「オシャレ系バンド・I Don’t Like Mondays.」という見出しを見つけた時、すごく違和感を覚えたんですよ。アイドラってオシャレというか、ブラックミュージックに傾倒していたり、難解なコードを使っていたり、音に対するこだわりが強いバンドじゃないですか。それを「オシャレ」だけで括っちゃうのはいかがなものかと。

YU:いや、本当にそうで! 正直、オシャレと言われることにうんざりしてるし、糞食らえ! と思ってるんですよ(笑)。仰る通り、使っているコードとかリズムの跳ね方でオシャレと言ってるだけで、それはすごい浅はかな捉え方だと思っているんです。もちろん相手のライターさんもネガティブな意味で言ってるわけじゃないので、ありがたいなとは思いつつ……。全然理解されてないなとも思っていて、そこの葛藤はありますね。

ーアイドラってライブハウスとクラブの中間にいるので「陽なバンド」、「オシャレ」というイメージがついてた。だけど、今年配信した5曲は、そんな世間のイメージに対するカウンターだと思ってて。

YU:はいはい! 本当にその通りですよ!

ー一方で、歌詞のイメージをそのまま音にしたら、フォーキーだったり湿った音になると思うんですよ。でもアレンジによって暗いサウンドになってないのが良いところで。

SHUKI:そうですね。「東京エキストラ」関しては冬の曲をテーマにしてて。正直、ドラムとしては鈴の音を入れておけばクリスマスっぽくなるわけですよ。だけど、そういう小手先のやり方は本当にうんざりで、今回は意地でも入れないと思ったんです。最後にクリスマスっぽい観点とは違う意味で、タンバリンは入れたんですけど、それもラストサビだけですからね。今回はゴスペルでクリスマス感が増長させたのがポイントだよね。

CHOJI:あとコード進行も割と温かい感じにしてる。YUが内なるものを歌うとなった時に、僕らとしては良い意味でそっちに引っ張らないようにしたんです。あくまでアイドラらしくアレンジするのはすごく意識しましたね。

YU:俺らってバンドなので、ちゃんと役割分担ができるんですよ。メッセージありきで曲を作るとなったら歌詞の世界観に引っ張られすぎちゃうし、曲を作ったテンションのまま歌詞を書くとどうしても普通の曲になっちゃう。でも、作詞と作曲を切り離して作ることで良い作用を生んでいる。

CHOJI:ちなみに「東京エキストラ」のコード進行に関しては今回の楽曲で、割と多用しているんです。「ENTERTAINER」でも使ってるし、「MR.CLEVER」もアレンジする前はああいう感じだったので。

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