アーティスト向け新サービス ストリーミング収入などが即時で受け取れるクレカが誕生

CMGのCOOで共同創業者のアレクサンダー・ウィリアムズ氏曰く、クレジットカードはアーティストをより自立した、有能なビジネスパーソンにするための手段でもある。

「アーティストが起業家のように考え、ブランドを構築し、自分自身に再投資できるシステムを持つことが私たちのねらいです」とウィリアムズ氏は言う。「日々のロイヤリティを表示してくれるプログラムを構築したのは、こうしたデータに毎日アクセスできることがインディーズ系アーティストにどのような影響をもたらすかを長期的に検証するためです。このような形でロイヤリティを見たことがなかったときと比べて彼らのアウトプット量がぐんと伸びたのは、最大の発見のひとつでした。クレジットカードの場合も同じような結果になると予測しています。私たちは、継続してアウトプットするにはどうすればいいかという問題についてもっと考えてもらい、もっとも効率の良い方法で実行することを推奨する新しい時代を迎えようとしているのです」。

今後数カ月にわたってベータ版Create Carbonがさまざまな課題に取り組むことで、同社はより強固なクレジットカードシステムを構築するだろう。米MasterCardがCreate Carbonの支払いネットワークを担っているため、MasterCardが使える場所であれば、Create Carbonも使用可能だ。さらにCreate Carbonユーザーの手元には、黒のチタン製のカードが届けられる。テーブルの上で落としたとしても、ラグジュアリー感あふれるチタン特有の重厚な音のおかげで金持ち気分が味わえるというわけだ。CMGは、6カ月間で同社独自の銀行口座にユーザーを移行させようと計画している。こうした銀行口座を通じてユーザーは信用取引の実績を積み、より一般的なローンを組むための底力を強化できる。それに加えて、ほかのクレジットカード発行会社同様、CMGは顧客である音楽クリエイターに特化した報酬システムの実現にも取り組んでいるが、参加企業や小売業者の詳細に関するコメントは控えた。

>>関連記事:TikTokで曲の未来を占うラッパーたち「限られたリソースをムダにしたくない」

CMGのCreate Carbonパイロットプログラムには、ラッパーのフューチャーとテカシ・シックスナイン、DJのファンクマスター・フレックス、さらにはポップデュオのサーフェシズやLARRYなどのアーティストが所属するマネジメント会社Homemade Projectsが顧客として名を連ねる。CMGとElliot Grange率いる10K Projectsは、2019年にHomemade Projectsに投資している。「Create Carbonは、インディーズ系アーティストにとってとてつもなくパワフルなツールです」と、Homemade Projectsの共同創業者のザック・フリードマン氏は声明を発表した。「ロイヤリティが支払われると同時にそれにアクセスできるおかげで新しいプロジェクト、マーケティング・イニシアチブ、ツアー活動を資金面でサポートし、前払いのために何度も交渉したり、厄介なローンを背負いこんだりする必要もなくなります。このツールは、CMGによる画期的なイノベーションです」。

Translated by Shoko Natori

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE