女性死刑囚の刑執行をめぐる悲劇、虐待とトラウマと精神疾患

驚愕の事実が明らかに

新弁護チームが彼女の母親と面会したときの内容によれば、モンゴメリー受刑囚が最初に発した言葉は「痛いからお尻を叩かないで」だった。モンゴメリーの父親が家を出て、母娘は再婚相手と住むようになったが、継父は家の裏に離れを作り、そこで何年も友人らと10代のモンゴメリーを犯しては、事が済むと彼女に尿をかけた。母親は家の修復にやってきた修理屋に「体で代金を払うよう」娘に強要した。18歳の時に彼女は義理の兄弟と結婚するが、夫は何度も彼女を強姦・虐待し、時には瓶で犯したり、ビデオで撮影したりした。あまりにもひどく殴られたせいで、彼女は外傷性脳損傷を負っていることが弁護チームにより判明した(大勢の親族が証言しているものの、母親も継父も虐待の規模を認めることもなく、ずいぶん前に他界している)。

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彼女は売春と虐待の被害者で、双極性障害、側頭葉癲癇、複雑性PTSD、解離性障害、精神病、外傷性脳損傷を患っていた――これらすべての情報が2007年の裁判で陪審員に提示されていたら、彼女の刑も軽くなっていただろう。弁護チームは8年間、死刑判決を終身刑に切り替えてもらおうと政府を相手に戦ったが、上訴は一度も認められなかった。

昨年トランプ政権が連邦政府による死刑を復活させると、弁護チームはモンゴメリーが精神疾患ゆえに刑罰を理解することができないと主張し、トランプ大統領に慈悲を求めた。だが12日、政府は再三の訴えを退け、最終的に最高裁判所は彼女の死刑執行を認めた。車輪付きの寝台に乗せられた彼女を、AP通信は「ひどく狼狽していた」と描写している。弁護チームによれば、新しい施設に連れてこられたストレスで彼女に解離性障害の症状が出ていたためだそうだ。大勢の人々が、憲法修正第1条で受刑囚には宗教助言者を死刑執行室に迎え入れる権利がある、と主張したものの、政府は彼女にそれを認めなかった――「彼女の宗教指導者は、化学物質が体内に流れていく間、『主われを愛す』を歌うつもりでした」と弁護士は語った。午前1時31分に死亡が宣告された。

弊誌は刑執行の翌日、彼女の弁護士であるケリー・ヘンリー氏に取材した。弁護士にとって依頼人を失うのはいつもつらいものだが、モンゴメリーの場合は特にそうだった。「彼女は素敵な人でした」と本人。「彼女は『大草原の小さな家』が大好きでした。聡明で、精神疾患さえなければ刑務所に入るような人じゃありませんでした」

Translated by Akiko Kato

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