ウッドストック50周年フェスの法廷闘争が終焉、電通が和解金を支払うことに

「ウッドストック50」主催者のマイケル・ラング(Photo by Getty Images for Woodstock 50)

伝説の音楽フェス「ウッドストック」の50周年記念として行われる予定だった「ウッドストック50」が中止となり、主催者と出資者=電通の関係が泥沼化していたが、このたび和解が成立。電通は主催者に「未実現利益を除く損失補填」として非公開の金額を支払うことが決まった。

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ビルボード誌の報道によれば、仲裁機関は3カ月前に、日本の広告代理店会社でフェスに出資を予定していた電通イージス社は、通知もなく1800万ドルの出資を引き揚げたことでウッドストック50との契約に違反した、との裁定を下した。ほどなく両サイドは、電通が「未実現利益を除く損失補填」として非公開の金額を支払うことで合意に達した。

ウッドストック50は2019年8月、ジェイ・Zやマイリー・サイラス、デッド・アンド・カンパニーなどを迎え、ニューヨーク州ワトキンスグレンで3日間にわたって開催される予定だった。だがフェスまで4カ月足らずという時に(このときはまだチケット販売前だった)電通が突然、残る出資額を取り下げ、ウッドストック50の中止を発表した。主催者側はただちに中止を否定し、50周年フェス開催にむけ新たな会場探しに奔走した。

「弊社は膨大な時間と努力、情熱を捧げてきましたが、フェスの製作がウッドストックのブランドネームに見合うものではなく、アーティストや提携企業、観客の健康と安全を確保できないと判断いたしました」。2019年4月、電通はこのように声明を発表した。

ウッドストック50主催者は差し止め命令を申請し、2020年6月に不足出資分をめぐって提訴。以来法廷での争いが続いていたが、ようやくここへきて和解が成立した。

Translated by Akiko Kato

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