ポール・マッカートニーのソロ名曲ベスト40選

ポール・マッカートニー(Photo by Robert R. McElroy/Getty)


8位「Hi, Hi, Hi」
アルバム未収録シングル(1972年)

マッカートニーは自身の紳士的なイメージを逆手に取り、セックス、ドラッグ、ギターの生活を讃える曲に仕上げた。シングルがリリースされるとすぐに、BBCから放送禁止にされた。たとえマッカートニーといえども、「ベッドに横たわって俺のボディ・ガンを待っていろ」などと誘えば、ただでは済まされなかったのだ。マッカートニーはローリングストーン誌のインタビューで実際に歌い、「ボディ・ガン」ではなく「ポリゴン」の完全な聞き間違いだ、と主張した(その歌詞の方がはるかに良い!)。また、コーラス部の「We’re gonna get hi, hi, hi」は、「ナチュラル・ハイについて歌っていると誤解されやすい」と彼は言うが、誰もそうは思っていない。しかし、マッカートニーの最も愛されるロック曲の一つであることは間違いない。




7位「Junk」
収録アルバム『McCartney』(1970年)

「Junk」は元々、ビートルズの『White Album』用に作られた楽曲だった。ビートルズのアルバム『Anthology 3』に、素晴らしいデモバージョンが収録されている。しかし、マッカートニーのソロバージョンの方が絶品だ。ジャンクショップのショーウィンドウを覗き込む若者が、自分が年老いて忘れ去られていく将来の姿を垣間見る。マッカートニーが飾らない自分の言葉で音楽を作って行こう、という決意が感じられる。「僕はどちらかと言えば、デモテープの状態のまま手を加えない方が好きなんだ」とマッカートニーは、1974年のローリングストーン誌のインタビューで語っている。「ドアの開く音、テープレコーダーを操作する音、後ろで誰かが笑う声などが聞こえてもいいと思う」




6位「Jet」
収録アルバム『Band on the Run』(1973年)

70年代のロックは、どこかしらデヴィッド・ボウイに似てしまうものが多かった。ただしマッカートニーだけは、「Jet」のヒットによって見事にボウイを超えることができた。ナイジェリアでレコーディングした本作は、堂々たるホーンのファンファーレで始まり、グラムロック調の激しいギターとオーバードライブをかけたシンセのグルーヴに、勢いのあるコーラスへと続く。後に分かったことだが、「Jet」はマッカートニーの飼い犬の名前だったという。歌詞はマッカートニーの作品の中でも不可思議な内容で、宇宙旅行や婦人参政権論者についての謎の言葉が並ぶ。「自分でもはっきりと説明できないんだ」と彼は後に語っている。「謎めいているから、気に入っているんだ」




5位「Uncle Albert / Admiral Halsey」(邦題:アンクル・アルバート〜ハルセイ提督)
収録アルバム『Ram』(1971年)

マッカートニーがソロとして初めてナンバーワンに輝いた傑作。色々な楽曲やサウンドエフェクトの断片を繋ぎ合わせ、5分間の作品にまとめている。展開の多様さと興味深いサウンドを聴いていると、もっと長い曲のように聴こえる。「とても解放された気分だった。周りの何人かは焦っていたと思うよ」と彼は、2001年に語った。マッカートニーの実のおじさんであるアルバート・ケンドールをモデルにした本作は、ジョージ・マーティンとニューヨーク・フィルハーモニックのサポートにより、明らかにビートルズ風の楽曲に仕上がっている。アルバム『Ram』の他の楽曲は激しくけなしていたレノンですら、良い作品だと認めていた。


Translated by Smokva Tokyo

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