ブリング・ミー・ザ・ホライズンが語る、ヘヴィメタルを「超越」した音楽性

写真左から、オリヴァー・サイクス(Vo)、リー・マリア(Gt)、マット・ニコルス(Dr)、 ジョーダン・フィッシュ(Key)、マット・キーン(Ba)

いわゆるロックとかヘヴィメタルの枠はすでに超えてしまっているのだが、このジャンル出身で、最も先鋭的で進化したサウンドを打ち出し、今の時代に起こっていることの問題意識をメッセージとして表現しているバンドがブリング・ミー・ザ・ホライズンだ。

今回、ヴォーカルのオリー(オリヴァー・サイクス)とともに、バンドのオリジナル・メンバーであり、ヘヴィメタルを音楽的なルーツとして持つリー・マリア(Gt)とマット・ニコルス(Dr)の2人に登場してもらった。

※この記事は2020年12月25日発売「Rolling Stone Japan vol.13」に掲載されたものです。

ヘヴィメタルとの出会い

ーヘヴィメタルとの最初の出会いは?

マット 僕の場合、親父がクラシック・ロックの大ファンで、サンタナ、イーグルスといった70年代のロックが好きだったんだ。その影響もあって、僕は小さい頃からギター・ミュージックが好きだった。自分から音楽にハマったのは、スケートボードとプロレスがきっかけだね。義理の親父からレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのCDを買ってもらったのも大きかった。プロレスのWWFのテーマ曲みたいに聴こえたんだよ。そこからちょうど当時盛り上がってたニューメタルにハマって、リンキン・パーク、スリップノットといった2000年代のバンドを好きになったんだ。『トニー・ホーク プロ・スケーター』の曲も好きで聴いてたね。

リー 僕も似たような感じで、親父がよくかけてた音楽を聴いてたね。親父はヴァイナルもたくさん持ってたし、メタリカをよくかけてた。それで僕もメタリカから入って、メタリカのCDを全部聴いて、そこからニューメタルにハマったんだ。『トニー・ホーク プロ・スケーター』のサウンドトラックももちろん聴いてたよ。ゲームを通していろんなバンドを知ることになったんだ。そこからカンニバル・コープスとかアット・ザ・ゲイツといった超ヘヴィなバンドを好きになって、エクストリームなものなら何でも聴いてたような時期があった。自分でバンドを組む頃には、オリー、マットと一緒になってメタルもハードコアも聴くようになって、キルスウィッチ・エンゲイジのようなメタルコア・バンドを好きで聴いてたんだ。

ーヘヴィメタルで影響を受けたアルバムは?

マット リンキン・パークの『ハイブリッド・セオリー』。パパ・ローチも含めて、この時代のバンドのアルバムすべてに影響を受けたよ。スリップノットの1stアルバムもそうだね。メタリカのアルバムも全部好きで、特に、ブラック・アルバム(『メタリカ』)は、スラッシュ度が低くてよりコマーシャルだったんだけど、それでも全曲通して聴きまくったね。『トニー・ホーク プロ・スケーター』のサウンドトラックは、どの曲からも影響を受けた。あのサウンドトラックは僕たち世代を形作ったようなものだよ。



リー 最初に影響を受けたのはメタリカの『ライド・ザ・ライトニング』だね。メタリカはその前から、親父が『S&M』を持ってたから聴いてたんだ。そこからはアット・ザ・ゲイツのようなエクストリーム・メタルにハマっていったね。あんなにヘヴィでメロディックなバンドを聴いたことがなかったから、スゴい影響を受けたよ。特にバンドを始めてからは、スウェディッシュ・メタルのようなリフにハマった。だから最初は、アット・ザ・ゲイツのパクリから始まったようなもんだよ(笑)。あと、カーカスも大好きだったね。



マット カーカスの影響も僕たちの音楽に入ってるよ(笑)。僕とリーはアメリカのメタルコアが好きだったんだけど、アット・ザ・ゲイツを初めて聴いた時にハマって、さらにカーカス、カンニバル・コープスを聴くようになって、そこで受けた影響をバンドの音に反映させていったんだ。それでブレイクダウンのあるカーカスみたいなサウンドになったんだよ(笑)。

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