「自分のポートフォリオには加えない」就任式のバーニー・サンダースを撮った写真家が語る

「あのミトンの手袋は温かそう」

ーあの写真を撮った時、こんなに大ごとになると予想しましたか?

スミャロフスキー:いいえ。当然、シャッターチャンスだと思ったから撮影したんですけどね。人生の一部分をうまくとらえていました。そういうところは僕も好きです。被写体らしさが出ているのがいいですね。そういう場合、僕の仕事も多少楽になるんですが。

ーもしこうなると予測できていたら、今頃は億万長者になっていたかもしれませんね。

スミャロフスキー:もしこうなると知っていたら、ミーム画像なんか絶対撮りませんよ。ミーム画像は絶対撮らない方が、僕はずっとうれしいです。

【画像を見る】SNSを賑わせたバーニー・サンダースのコラ画像

ー特定の画像がこんな風にミームされやすくなるのはなぜだと思いますか? なぜ人々の想像力をこんなにかき立てたんでしょう?

スミャロフスキー:たぶん、そういう話には僕はふさわしくないでしょうね。それは社会学や心理学の領域で、間違いなく僕は専門外ですから。でもひとつ自信をもって言えるのは、サンダース議員は非常に確立したイメージと政治的ブランドを持っているということ。この写真は絶好のシャッターチャンスをとらえているんでしょう。間違いなく僕にもそれは言えます。でも、それも彼の人となりがあってこそ。もしこれが別の誰かの写真で、そっくり同じポーズだったとしても、こんな風にはならなかったと思います。

ー最終的に出てきたミームのなかで、気に入っているものはありますか?

スミャロフスキー:皆さんがPhotoshopを駆使して、芸術作品に切り貼りして本物らしく見せているのは、本当に面白いですね。画像に合うテキストをつけたりして、全体的に見せるというのはある種の才能です。どの芸術作品と組み合わせるか、どんな台詞を言わせるかによって、ものすごく面白くなりますしね。多分、ミームの作り方で作者の人となりがよくわかるような気がします。


※ツイート日本語訳
バーニー・サンダースもついに拡散画像で便乗商売、webサイトでスウェットが45ドルで販売中。売り上げは全額、Meals on Wheels Vermontに寄付されます。

ーバーニー陣営があの画像でスウェットを作ったのをご覧になりましたか? ご自身もおひとつ購入しますか?

スミャロフスキー:我が家には鉄則がありましてね。服でもなんでも、新しくするときは古いものを捨ててからにしなさい、って。今のところ、持っている服は全部気に入っていますし、まだ温かく着られます。新しく新調するのに、どれか1枚スウェットを捨てるなんて、考えられないですね。

ー議員がつけていたミトンを誰かが送ってきたとしたらどうしますか?

スミャロフスキー:あのミトンはなかなか良さそうですよね。正直な感想ですよ。写真の皮肉なところは、常に一瞬だと言うことです。でもその一瞬を記録するために、膨大な時間をかけている。とくにフォトジャーナリストの場合、外の寒い中で膨大な時間をかけています。でも指は動くようにしておかなきゃいけないし、手は温めておかなくちゃいけない。あのミトンはそういう意味ですごく良さそうです。

ーでは、ミトンはお気に召したんですね。

スミャロフスキー:とりわけああいう日には、ちょっとうらやましいなと思ったかもしれませんね。


【画像を見る】バイデン/ハリス就任式、フォトジャーナリストが見たもう一つの現実(写真ギャラリー)

From Rolling Stone US.

Translated by Akiko Kato

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