「自分のポートフォリオには加えない」就任式のバーニー・サンダースを撮った写真家が語る

就任式でもっともイジられる画像の被写体となったバーニー・サンダース氏(Photo by Brendan Smialowski/AFP/Getty Images)

ここ数日、SNS上で大いにバズったのがバーニー・サンダース上院議員の大統領就任式での画像。ぽつんとパイプ椅子に座る“あの写真”を撮影したブレンダン・スミャロフスキー氏はこのように語っている。「おそらく彼は何の問題もなくあの場にやって来て、一人で座り、書類を抱えて、そのあとは普段通りの生活に戻っていったと思います」

たった1枚の写真が、バーニー・サンダース1000人分もの多くのことを物語る。この場合は、1枚の写真から10万以上ものミームが生まれた。

就任式の2週間前、暴徒化したトランプ支持者らが連邦議事堂に乱入したとき、コネチカット出身の元スポーツ・フォトジャーナリストで現在はフランス通信社の政治担当カメラマン、ブレンダン・スミャロフスキー氏はちょうど議事堂の前にいた。そして1月20日、スミャロフスキー氏は寒空の下再び議事堂の前で、ジョー・バイデン大統領新政権の誕生の瞬間を撮影していた。

【画像を見る】バーニー・サンダース「あの画像」を撮ったブレンダン・スミャロフスキー氏の近影

望遠レンズとニコンDSLRを手に、スミャロフスキー氏はその日の雰囲気や貴重な瞬間をフィルムに収めようとしていた。「右を見れば連邦議事堂、そして壮麗なスタンドと座席が広がっています。左には人っ子一人いないナショナル・モールです」と、彼はローリングストーン誌に語った。

テッド・クルーズ、ジョシュ・ホーリー両上院議員の姿を追っていたスミャロフスキー氏は、距離を空けておかれた椅子に座っているバーニー・サンダース上院議員に気が付いた。その写真は就任式最大のミーム画像となった。アマチュアもプロもこぞってサンダース議員の姿を古典絵画や映画のスチール写真、アルバムカバーや古い写真、その他ミームに織り交ぜた。また、無意味な会議から4人組バンドのコンサートのチラシにいたるまで、あらゆるものに苛立ちを表現するリアクション画像の恰好の餌食にもなった。

「彼は超有名人です。予備選挙では一目置かれる人物です。政界での彼のブランド力は引きがあります」とスミャロフスキー氏は言う。「だから僕も、彼本人や彼と交流する人々には目を光らせておきたいと思っています。いい写真を撮るためにね」

そのあとの成り行きは皆さんご承知の通り。

Translated by Akiko Kato

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