ライが官能的なソウルを作り続ける理由「僕の役割はメロウな音楽で人々を癒すこと」

新作のテーマ、ディプロとの意外な交流

ーアルバム全体のテーマは?

ミロシュ:このアルバムに『Home』と名付けたのは、僕が家庭を持ちたいと強く思っているからなんだ。この10〜15年ほど、僕の人生は波乱万丈だったけど、初めて家庭を持ちたいと思ったんだよね。心の拠り所を築きたいと感じたんだ。恋人のジェヌヴィエーヴとの関係も良好だったし、自宅で音楽を創造したいと考えた。2人の新しい家にホームスタジオも移転した。ロサンゼルスの郊外マリブの丘のてっぺんにある家で、雲の上って感じだよ。創造性を高めるにも最適だし、安らげる聖域のような場所なんだ。



ー自粛期間中にクリエイティブになれたというアーティストも多いようですが。

ミロシュ:うんうん、すごく分かるよ(笑)。僕もこの1年間に映画音楽を手掛けたり、ライのこのアルバム、それにセキュラー・サバス(Secular Sabbath)というプロジェクトの作品も手掛けたし、けっこう忙しくしていた。ツアーができない代わりに、じっくり音楽と向き合うことができたのも良かったし、こんな時期だからこそ自分をポジティブにしてくれる音楽や、幸せになることを実践したいんだよね。

ーセキュラー・サバスでは、具体的にはどういう活動を?

ミロシュ:セキュラー・サバスは24時間ぶっ続けのライブイベントなんだ。大抵は参加者のためにベッドを用意して、宿泊もしてもらう。素晴らしいアーティストたちがアンビエントミュージックを披露するんだ。僕も即興で演奏するよ。1〜2時間くらいかな。4時間やったこともある。普段とは違った声を使ってみたり、常に実験している感じなんだ。おかげで僕も自分の歌に自信がもてるようになったし、ライのこのアルバムにも反映されていると思うんだ。と同時に、セキュラー・サバスは、ライへの反動でもあるよ。ライではx1時間半〜2時間の決められたショーを繰り返すけど、セキュラー・サバスではごく少数の参加者を前に、特別な瞬間が生み出されるって感じなんだ。



ーディプロと一緒に配信ライヴを行っていましたよね。まったく異なるタイプのアーティストだと思っていたので驚きました(笑)。

ミロシュ:アハハハ、そうだよね。ディプロとは友達で、けっこう一緒にやってるよ。僕の恋人も、彼の友人なんだ。みんな仲良しって感じで。彼はセキュラー・サバスでも何度かプレイしているし、すごく美しいアンビエントミュージックを作るんだ。みんなが知ってるディプロとは違うかもね。数ヶ月前に彼が発表したアンビエントのアルバム(『MMXX』)でも、一緒にやった曲がある(「 XII」)。他にもダンスミュージックを一緒に作ったけれど、いつ完成するかはまだ未定かな。

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