トランプ逆転を信じた、陰謀論「Qアノン」信者の落胆と困惑 

2021年1月16日、ネバダ州カーソンシティで「トランプJFK JR.」と書かれた旗を手に歩くQアノン信者 バイデン大統領の就任式を前にトランプ支持者らは州都に集結したが、群衆の数は小規模のまま。(Photo by Ty O'Neil/SOPA Images/LightRocket/Getty Images)



プラットフォームからの締め出し

バイデン大統領の就任式に対する頑ななQアノン支持者の反応は「正直なところ、多種多様です」と言うのは、調査報道サイトBellingcatで過激思想を研究するアリック・トーラー氏だ。「僕は大勢が一斉に否定するだろうと思っていました。『お前たちは分かってない、実際に起きているのは……』と。ですが、むしろ諦めや困惑でした。間違いなくQはこの先何年も存続するでしょうが、大勢がただ茫然としています。文字通り何年も夢見ていたこと(一斉逮捕、刑の執行、啓示)がなぜひとつも起きないんだろう、と」。このように反応が様々なのは、Qアノン・コミュニティではよくあることだ、と憎悪犯罪・過激思想研究センターのケヴィン・グリシャム副所長も言う。「一枚岩の集団とは言えません。いくつもの小グループから構成されていて、各々が核となる新年を各々に解釈しているんです」

ローリングストーン誌が以前報じたように、こうした落胆ぶりは大統領選挙日以来、Qコミュニティの内部でふつふつと沸き起こっていた。バイデン氏の勝利宣言以降、ベテラン支持者は現実の出来事とQの預言のつじつまを合わせるのに苦労していた。「計画を信じてはいるが、みんな確証が欲しいんだ」とは、行き場をなくしたあるユーザーの11月の投稿だ。ここ数カ月間は「Qアノンにとって重要なターニングポイント」だった、と言うのは『Q Anon Anonymous』というPodcastの共同ホストを務めるトラヴィス・ヴュー氏。彼はローリングストーン誌にこう語った。「ソーシャルメディアの禁止措置とドナルド・トランプ氏の敗北が重なったことで、彼らは今後がらりと進化せざるを得なくなるでしょう」

プラットフォームからの締め出しが、そうした進化に重要な役割を果たしている。コミュニティ規約違反でFacebookやTwitterといった主要プラットフォームや、議事堂暴動計画に一役買ったと批判され、先週閉鎖されたParlerのようなアプリからも追放されたQアノン信者は、他の過激派がたむろするTelegramなどメッセージアプリのスレッドに群がるようになった。Qアノンの預言が実現しなかったことに失望した人々が、明らかに暴力的なグループに引き寄せられる危険は明白だ、とグリシャム氏は言う。筋金入りのQアノン信者が次第に過激な連中の言い回しに触れ、そこへ悲痛や落胆が重なれば、「なんらかの非常に危険な状況が起こる可能性もあります」と同氏は言う。

Translated by Akiko Kato

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