米ライブ・ネイション、グッド・シャーロットのライブストリーミング会社を買収

Chris Pizzello/Invision/AP; Lester Cohen/Getty Images

パンク・ロックバンド、グッド・シャーロットのメンバーであり、2017年にライブストリーミング会社Veepsを立ち上げた人物のひとりであるジョエル・マッデンは、買収について複数の投資会社やIT会社と協議したことを明かした。

米現地時間1月19日、世界最大手イベント会社の米ライブ・ネイションは、ライブストリーミングプラットフォームVeepsの株式の過半数を取得したと発表した。新型コロナのパンデミックによって従来のコンサートやツアー活動が行えない状態を10カ月間忍び、いまも耐え続けているライブ・ネイションは今後、目覚ましいスピードで成長しているライブ配信業界のいちプレーヤーとなる。

Veepsを買収することでライブ・ネイションは新たな収入源を手に入れることになる。ライブエンターテイメント業界が一時停止を強いられるなか、同社の収益は2020年第3四半期に98パーセント、同年の第4四半期に95パーセントと劇的な落ち込みを見せていた。今回の買収は、Veepsにとっても明確なメリットがある。十数社もあるライブストリーミング会社——そのなかにはコロナ禍がきっかけで誕生した会社もある——によって業界が飽和状態になるなか、Veepsはライブ・ネイションという大手から競争を勝ち抜くうえで有利なテクノロジーとマーケティングに関するリソースを手に入れることはもとより、メジャーアーティストとつながることもできる。

現時点でライブ・ネイションとVeepsは、買収価格とライブ・ネイションが保有している具体的な株比率を公表していない。

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「今回のパートナーシップを通じて両社が提携するというアイデアはごく自然な流れであり、それはいまに始まったものではありません。この十年間、私たちはさまざまな方法でライブ・ネイションと綿密に連携してきたのですから」とVeepsの共同創業者であり、パンク・ロックバンド、グッド・シャーロットの結成メンバーでもあるジョエル・マッデンは本誌に述べた。「ライブ・ネイションは、ライブストリーミングへのアプローチを検討することに極めて意欲的です。彼らは、多くのことに対してオープンだと思います」。

Translated by Shoko Natori

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