LOW IQ 01の青春時代 「スラップ奏法に目覚めた1989年」


ーイチさんの代官山蔦屋書店のインストアライブの時に「よくこの辺で遊んでたけど変わったな」って仰ってましたもんね。ベイブリッジもこの年に完成しました。


ベイブリッジは何か洒落たもんができたなって感じなんだよね。

ーデートコースにもなっていましたよね。

そうそう。皆が車に乗って行くトレンドのスポットだったよね。この頃、アイゴンが車に乗っていたから、色々なところに連れてってもらって。今振り返ってみて1989年に何かしていたかというと、さっき話した居酒屋のアルバイトが0時くらいに終わって、そこからアイゴンの家に行って。朝まで遊んで帰るっていう遊びをよくしてた。そこで色々な音楽に触れたりとか。アイゴンもバンドやってなくて、こんなのやりたい、何かやりたいねって言っていたのが、まさしくこの時期。自分でやってたバンドに、アイゴンにゲストみたいな感じで入ってもらい始めたぐらいかなあ。よくラーメンも一緒に食べに行ってた。

ーよく2人でラーメン屋巡りをしてたんですね。この前後の時期に、博多ラーメンが東京に来たイメージあるんです。

「なんでんかんでん」辺りが博多ラーメンを持ってきたんだと思うんだよ。この頃のアイゴンって、ザ・コレクターズのローディをちょっとやっていて。それでメンバーの古市コータロー君とか加藤ひさし君とかから地方の美味しいラーメン屋を聞いて、その中でアイゴンが教えてくれたラーメン屋が「天一(天下一品)」なのよ。当時はまだ都内に3店舗しかなかったからね。江古田と高円寺と三宿しかなくて。最初に食べたときの、衝撃が凄すぎて。セックス・ピストルズを聴いたときと同じぐらい(笑)。三宿店もうちから遠くなかったから、夜中になると無性に食いたくなって。それまでは、三宿の交差点のところにあった吉野家に行っていたんだけど、そこを飛び越して深夜2時まで営業している天一に飛び込んでいた。



ーあれは相当パンチの効いたラーメンでしたよね。

そうそう。それこそアイゴンは車に乗っていたから、ときわ台にある「土佐っ子」っていう店のラーメンも好きで車で行ってったんだよ。今は「下頭橋ラーメン」に変わっちゃったんだけどさ。「天一」はセックス・ピストルズの衝撃で、「土佐っ子」はザ・ダムドの衝撃と一緒だった。覚えているんだけど、その時にアイゴンが話していたのは、古市コータローくんは「天一」がすごい好きで、加藤ひさしくんは「桂花ラーメン」が好きだと。その時に「桂花ラーメン」も初めて新宿店に行ったんだけど、桂花の太肉麺を最初に食った時の衝撃はクラッシュでした(笑)。これは当時の三大ラーメン。とにかく1989年はラーメンを食う、衝撃のラーメンに出会うと一年だった。

Rolling Stone Japan 編集部

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