米俳優の異常な性的妄想、SNSで暴露された「食人嗜好」とは?

「究極の行為はそれ自体極めて非現実的」

ウーの説明によれば、食人嗜好は本当に人肉を食べることとは無関係だと言う。「ある一定の妄想が前提になっていて、様々な要素が絡んでいるんです」と彼女は言う。彼女も顧客の要望に応じて、「丸呑み」フェチ(自分が小人になって、巨人に呑み込まれるのを夢想するのと似たような嗜好)でプレイする動画を作ったことがある。相手に噛みついたり、八つ裂きにするフリをしたり、肉をバラバラにして切り刻んでやると口にする場面を演じたこともある。「ある人にとっては、指を突き刺したり、相手に血を飲ませることだったりします。別の人にとっては噛みつくことだったり。また別の人には、相手にむさぼりつくことだったり。食卓の席について、人体に盛られたスシを食べる人もいます」と彼女は言う。「カニバリズムの場面を表現するのに、必ずこれというやり方はありません。究極の行為はそれ自体極めて非現実的ですから」

ウーはカニバリズムの「食べる」側と「食べられる」側のどちらもこなす。支配者、つまり食べる側は「私の快楽や滋養のために相手が自分の身体の一部を喜んで差し出す、という考えから権力や快楽が沸いてくるのです」。一方食べられる側は、「私の場合、ケースは様々ですが、基本的には親近感を感じられます」と彼女は言う。「突き詰めて言えば、快楽とは相手と同化したいと言う欲求です。相手にとことん心酔するあまり、所有したくなったり、所有されたくなったり、あるいは特定のやり方でもみくちゃにされたくなる。性的嗜好としてのカニバリズムは、誰かと近づきたいという感覚や決して満たされない虚しさを際立たせたり、満たしてくれるんです」

倒錯コミュニティで慣らしたベテランのほとんどが一番の重きを置いているのが同意だ。BDSM(人間の嗜虐的な分野の性的嗜好の頭文字から作られた単語)の世界ではよくあるように、こうした力関係はすべて事前に事細かく打ち合わせがなされる。双方ともプレイの後にしっかり話し合いをして、プレイ中に楽しめた部分、楽しめなかった部分を共有する。アフターケア、すなわち支配者が服従者の身体的・感情的ニーズをいたわる時間帯は、たとえ経験豊富なプレイヤーであっても必ず行われる。

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE