米議事堂乱入の男、ペンス副大統領に脅迫メモ「正義が果たされるのは時間の問題」

「Qアノン」のシャーマンを自称するジェイク・アンジェリことジェイコブ・アンソニー・チャンズリー容疑者(Photo by Win McNamee/Getty Images)

ドナルド・トランプ大統領支持者らが米連邦議会議事堂を占拠した暴動に関して、米連邦政府は単刀直入に「アメリカ合衆国政府の転覆を図った暴動」と記し、「議事堂に乱入した暴徒のねらいは議員の捕獲と暗殺だった」と主張している。

今回の事件で注目を集めた上半身裸でバッファローの帽子を被った男、極右陰謀論「Qアノン」の「シャーマン」を自称するジェイク・アンジェリことジェイコブ・アンソニー・チャンズリー容疑者は、暴力的な不法侵入や治安を乱した容疑で逮捕・訴追されているが、上記の表現はその裁判資料に書かれたものだ。

いまや誰もが知る議会乱入の写真からもわかる通り、チャンズリー容疑者は上院議会の演壇へと向かい、政府側の主張によれば、そこにマイク・ペンス副大統領宛ての悪質なメモを残したという。メモには「正義が果たされるのは時間の問題だ」と書かれていた。

【画像ギャラリー】「ペンスを首つり刑に」議事堂の外に置かれた首つり縄(写真19点)

問題の裁判資料は政府による「拘禁支持摘要書」で、その中で政府はチャンズリー容疑者が危険な人物であり、公判まで勾留しておくべきだと主張している。アリゾナ州地方検事局のマイケル・ベイリー検事が手掛けた資料には、チャンズリー容疑者が「麻薬常習者で」「支離滅裂な風変わりな思想を抱き、現実と結びつけることができない」と書かれている。またQアノンという「危険な過激グループの伝道師で」、「アメリカ合衆国政府の転覆を図った暴動の……中心的人物を自認している」と位置付けている。最後には「彼の経歴と人格をふまえれば、拘留する必要がある」と締めくくられている。

今回の政府による摘要書から、1月6日の議事堂乱入に対する表現が著しく厳しくなったことが伺える。もっとも、マイケル・シャーウィン連邦検事正代行はすでに、連邦政府は「扇動および共謀にからむ重罪で訴追する」意向だと発言した。ただし、チャンズリー容疑者の起訴内容はこれとは違う。彼は重罪2件、すなわち「市民騒動に関連して、あるいは騒動の最中に合法的に職務をまっとうしていた警察当局に対する」公務執行妨害と、「市民騒動を起こして議会職員を脅威にさらし、立ち入りを禁じられた建物に正当な許可なく違法に居座ったことによる」議会の進行妨害で起訴された。

Translated by Akiko Kato

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