米議会襲撃、白人至上主義者がヴァイキングと北欧神話に傾倒する理由

2021年1月6日、ワシントンDCのアメリカ国会議事堂で抗議活動を行うドナルド・トランプ大統領の支持者 そのうちの1人ジェイク・アンジェリは、顔にペイントを施して角のついた帽子姿がトレードマークのQアノン支持者。(Photo by Saul Loeb/AFP/Getty Images)



白人至上主義のイデオロギーとは無関係の者も大勢いる

だが同時にこれは、厄介な問題にもなりうる。ペイガンやメタルミュージシャンの中には、白人至上主義のイデオロギーとは(いかにも反ファシスト的な類のイデオロギーとも)無関係の者が大勢いるからだ。ヴォーカルがノルウェー人で、北欧神話を題材にした曲で死や終末論を謳う90年代の非ファシストバンドThorr’s Hammerがいる一方、ポーランドには悪質な人種差別的ネオナチ系ブラックメタルバンドで、国際的なナチ系ブラックメタルシーンとも深い関係にあるThor’s Hammerが存在する。こうしたことからも明らかだ。サブカルチャーの狭い世界の外では、北欧神話のシンボルやルーン文字のタトゥーを入れている全員が必ずしもの政治的、文化的背景を理解しているわけではない。マーベルがソーとハンマーの伝説をメインストリーム化した今となってはなおさらだ。Heathens Against HateやHeathens United Against Racismといった集団が反人種差別的な選択肢を提供するなど、これらシンボルやネオヒーザニズムを白人至上主義者から奪還しようという動きも高まっている。

チャンズリー容疑者がそこまであからさまに反ユダヤ的極右過激派的な政治思想と関わっていなかったなら、彼のタトゥーも大した意味はなかっただろう。だが実際そうではないがゆえに、彼は絡み合った三角形を胸にある種のメッセージを発信していたとみられる。白人至上主義者から、あいつは自分たちとともに歩む道を選んだと思われるようなメッセージを。

From Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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