デヴィッド・ボウイの人気ミュージックビデオ10選

5.「レッツ・ダンス」(1983年)


同名アルバムのタイトルトラックである「レッツ・ダンス」のビデオでは、西洋による帝国主義、人種差別、弾圧の問題を取り上げている。ボウイと共に監督を務めたのは、デヴィッド・マレット。ボウイは1983年に本誌の特集記事で、この「レッツ・ダンス」と「チャイナ・ガール」のビデオで伝えたかった共通のメッセージについて、「非常にシンプルで、直接的なもの」と述べている。またMVが短編映画風に作られ、世界中で視聴されるようになったことから、「社会に対するメッセージを伝えるプラットフォームとして活用したいと思っている」と話している。このビデオクリップには、日常生活で西洋の帝国主義と葛藤するアボリジニのカップルが登場する。


4.「ラザルス」(2016年)


これがボウイ最後のMVとなったが、暗い予言を伝える内容となっている。ボウイは病室で、死に瀕している人物を演じている。「最も辛かった時期」と言及していた、アルバム『ステイション・トゥ・ステイション』時代に着用していたような白と黒のストライプの服を着た躁状態のボウイが、病室で踊ったり、書き物をしたりしている。監督はヨハン・レンク。ラストシーンでは、ボウイが闇夜のように真っ暗なクローゼットの中へと消えていく。ボウイの死去に際して、プロデューサーのトニー・ヴィスコンティは、アルバム『★』が、ボウイからファンへの「餞別」だったとし、その死を「芸術作品」と表現した。

Translated by Rolling Stone Japan

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