浜田省吾、2000年代以降の作品とライブ音源を水谷公生と振り返る



田家:これを選ばれたのは?

水谷:この時にミックスをしてくれたのが、スティングのミキサーなんですよ。スティングのスタジオでミックスをしたんですね。それと当時は僕もまだギターを弾けた時で。この曲のサビの広がるギターは、最初は他の楽器でやってたんですけど、浜田さんがギターのサウンドにしたいということで、ギターで固めたんですよ。この前、たまたまこの曲を聴いた時に懐かしくなりました。

田家:この曲はナイロン弦ですけど、これも水谷さんですよね。

水谷:ナイロン弦は、普通、ナイロン弦専門の人が来るんですよ。だから、レコーディングで自分で弾くことは少なくて、でもこの曲は浜田さんが弾かせてくれたので思い出があって選ばせてもらいました。

田家:この曲はベース以外、全部水谷さんがやっていらっしゃるんですよね? 浜田さんは、ギタリスト時代の一番忙しくしていらした時の水谷さんのこともご存知なわけですよね。ギタリストであり、プロデューサーであり、アレンジャーでもあり、プロツールスを使う人だということまでわかっている数少ない人が浜田省吾さん。

水谷:そうですね。僕の歴史は浜田さんが一番詳しく知っているかもしれないですね。彼は一緒にいる友人をよくウォッチしている人ですね。とても誠実な人だと思います。

田家:2020年末にこのアルバムのタイトル『SAVE OUR SHIP』に改めて思われることはなんでしょう?

水谷:これよりももっと前からでしょうけど、地球がどんどん汚れていって。それは自然だけでなく、人の手で汚されることが多い。浜田さんは言葉であまりメッセージを発さない人ですけど、改めて聞いて思ったことは、もう少し日本人は政治とか環境問題に関心を持って欲しいということですね。じゃあお前ベルリンに行ってしまえって言われるかもしれないですけど、それは伝えたいです。

田家:お聞きいただいたのは、2001年8月22日発売のアルバム『SAVE OUR SHIP』から「君の名を呼ぶ 」でした。

Rolling Stone Japan 編集部

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