浜田省吾ファンクラブツアー映像、板屋宏幸監督とともに振り返る

雨の日のささやき / 浜田省吾

田家:映像作品『Shogo Hamada Official Fan Club Presents "100% FAN FUN FAN" On The Avenue 2013「曇り時々雨のち晴れ」』の初回特典ライブCDからお聴きいただいております。オリジナルは1977年のアルバム『LOVE TRAIN』に収録の曲です。この曲を選ばれたのは?

板屋:これは映像作品『Welcome back to The 70’s “Journey of a Songwriter" since 1975 「君が人生の時~Time of Your Life」』の(第二部の)一曲目でもあるんです。今回のアレンジは、オフライン編集のときに毎回思うんですけど、僕の中高生時代を思い出すものなんですよ。特に長田さんのギターソロを聴くと胸がキュンと切なくなる感じがあって。『Welcome back to The 70’s “Journey of a Songwriter" since 1975 「君が人生の時~Time of Your Life」』のテイクも良かったんですけど、このテイクも良くて選びました。

田家:板屋さんは、1987年の作品『二人の夏』で、初めて浜田さんと一緒に仕事をされた。1988年の渚園での野外イベント以来、ほぼ全作品を撮っているんですよね。その中でも、2013年のこのツアー自体は、他のツアーと違うものがあると感じましたか?

板屋:『Welcome back to The 70’s “Journey of a Songwriter" since 1975 「君が人生の時~Time of Your Life」』や「100%FAN FUN FAN 2017 Welcome back to The 60’s “The Moonlight Cats Radio Show”」を除くと、それまでのツアー映像作品は「ON THE ROAD」がリリースタイトルになっていたんです。僕のイメージだと、「100%FAN FUN FAN」はファンクラブイベントで浜田さんのホームグラウンドでもある。色々実験もできたりするようなもので、「ON THE ROAD」は勝負のライブですね。サッカーで言えば、ホームとアウェイみたいな。「ON THE ROAD」は絶対に負けられない試合です。『Shogo Hamada Official Fan Club Presents "100% FAN FUN FAN" On The Avenue 2013「曇り時々雨のち晴れ」』はご本人もおっしゃていたんですけど、実際のコーラスやホーンのアレンジなど、その後の「ON THE ROAD」のプロトタイプになったようなツアーだと僕は思っていますね。

田家:なるほど。この後のツアーは、60’s、70’sなどの曲を歌うというテーマがあって作られているツアーになっていて、これはそうじゃなくてある種の自由さもあったのかなと。

板屋:そうですね。まさか、60年代と70年代の曲を歌った「100%FAN FUN FAN」が作品として発売されるとは思ってもみなかったので。でもいつかはこれをリリースしたい、いつかプレゼンしようと思っていた。でも、コンセプトがある映像作品が続けて発売されてしまうと……。

田家:埋もれていくかもしれない?

板屋:もしかすると、プレゼンの雲行きが怪しくなってきたなというのは思ってましたね。だから、長期熟成させていこうとは思っていました。YouTubeに公開された「Walking in the Rain」は、一つの大きな転換期になったんです。

田家:なるほど。そして、この曲もこういう形でラジオから流れるようになりました。板屋さんが選ばれた4曲目、「ベイブリッジセレナーデ」。

Rolling Stone Japan 編集部

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE