SUGIZOが語る、縄文文明から日本人が学ぶべきこと

女性ヴォーカリストとのコラボレーション

-社会学者の宮台真司は、もう1回トランプが当選して世界が破滅に向かうべきだと、破滅からの復活だけが人類共通の意識になりうると言っていました。

それは僕も同感で、トランプにはもう1回やって欲しかったな。きっと分断は進むでしょうけど、絶対その後に人々がひとつになるはずだと僕は思うんです。60年代もそうだったし。日本は日本で、結局戦後75年経ってもいまだに戦後から変わっていないし……と、この話を始めると数時間はかかるのでここで止めますが(笑)。要は、様々な思いが去来して、日本古来の良さはどこにあるのかを突き詰めていった結果、そこで得たインスピレーションがこのアルバムに流れていったという感じですね。

-アルバムに収録されている先行でリリースされていた歌モノ3曲についても聞かせてください。

はい。「A Red Ray feat. miwa」と「光の涯 feat. アイナ・ジ・エンド(BiSH)」は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』のエンディングテーマとしてすでに去年発表していました。「ENDLESS ~闇を超えて~ feat. 大黒摩季」は、『GIBIATE』というアニメのエンディングテーマの別バージョンになるんですけど、ちょうど今年の3月、コロナ自粛前ギリギリに作っていました。本来はそれ以外に7、8曲用意して女性ヴォーカルのアルバムを作りたかったんですけど、すべて緊急事態宣言によって消えてしまい……。







先ほども言ったように、女性ヴォーカルのアルバムはソウル、ジャズ、ボサノヴァ方向に振り切るつもりだったんです。根にブラックミュージックがあって、闇よりも光、灼熱の太陽や海を感じるような黒いグルーヴを中心にしたかったので、実はこの3曲だけ、その中でちょっと浮いていたんですよね。けれど、むしろこのアルバムにはちょうど良かった。ポストパンデミックの救済の音を作りたいと考えた時、この3曲のタイトルも詞も、しっくりきたんです。

-正直、癒しがコンセプトのこのアルバムに大黒さんの声が入るのはどうかな?って聴く前は思ったんですけど、全然違和感が無いですね。

摩季ちゃんの声は大地の感覚なんですよね。大きな母性を感じる。近年の彼女は、どんどんソウルフルな方向に向かっていて、ゴスペルチックなんです。彼女が大きくハートを開いて歌うと、聖なる母のような強さや安心感、彼女が「大丈夫」って言えば本当に大丈夫だと思えるような説得力があって、このアルバムのコンセプトにぴったりだと思いました。うちの真矢が摩季ちゃんファミリーなので、そういうつながりで知り合ってもう20年ほど経ちます。本当に素晴らしいアーティストです。

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