27歳で他界した「27クラブ」のスター20人|2020年ベスト

ジム・モリスン、エイミー・ワインハウス、カート・コバーンら27クラブの面々(Photo by Aradlo Di Crollalanza/REX Shutterstock, Matt Dunham//AP/REX Shutterstock, Stephen Sweet/REX Shutterstock)



・ジェレミー・マイケル・ワード



ジェレミー・マイケル・ワードがLAの自宅でヘロインの過剰摂取で死んでいるのが発見されたのは2003年5月。所属するバンド、マーズ・ヴォルタのデビューアルバムのリリースまで1カ月を切っていた時だった。ファーストアルバムにも関わらず、『De-Loused at the Comatorium』はその年最も期待されていた1枚だった。2001年、アット・ザ・ドライヴインの創設メンバーだったオマー・ロドリゲス・ロペスとセドリック・ビクスラー・ザヴァラは、エルパソ時代のポストハードコア路線を捨て、メインストリームでの成功を目指し、次のレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンという地位を捨てて荒野へと乗り出した。2人は幼馴染で長年一緒に音楽をやってきたワードとバンドを結成。ワードはバンドの「サウンド・マニピュレーター」として、型破りな発想を形にした。『De-Loused at the Comatorium』はリック・ルービンのプロデュースによるプログレ・パンクオペラで、ドラッグが原因で植物状態になった患者の頭の中、という設定だった。1996年にテキサス州の高架道から飛び降り自殺した友人のアーティスト、フリオ・ヴェネガスの実話から着想を得たものだ。ワードの勝手気ままな振る舞いやアバンギャルドな才能とは裏腹に、バンドで演奏するときの彼はステージの脇に陣取り、複雑なペダルとKORG KAOSS PADで楽曲を繰り出した。彼の死後もバンドはアルバムをリリースし続けたが、いずれもファーストほどの成功を収めることはできなかった。


・ジョナサン・ブランディス


(Photo by Warner Brothers/Kobal/REX Shutterstock)

2003年のジョナサン・ブランディスの自殺は、よくある元子役スターの転落という暗い事実の現れだ。ブランディスは6歳で子役デビュー。最初は昼ドラやシットコムの端役としてスタートしたが、やがてスティーヴン・キングの『IT』といった映画に出演するようになった。だが1993年、17歳の時に人気テレビドラマ『シークエスト』に出演して大ブレイク。たちまち人気者となり、何千というファンレターが殺到し、ビートルズに迫るレベルの社会現象を巻き起こした。だが1996年にドラマが打ち切りになると、ブランディスは名声と役者人生を維持することが難しくなった。2002年、ブルース・ウィリスとコリン・ファレルが共演した『ハーツ・ウォー』に起用されたが――本人はカムバックのチャンスと考えていた――彼が出演したシーンは全てカットされてしまった。1年後、彼はロサンゼルスのアパートで首を吊り、その後搬送先のシダーズ・サイナイ医療センターで息を引き取った。


・エイミー・ワインハウス


(Photo by Matt Dunham/AP/REX Shutterstock)

2011年7月ロンドンの自宅で最後のウォッカを呷ったとき、エイミーがどんな心持ちだったかのか、今となっては知る由もない。彼女は生前、人生でまだまだやりたいことがたくさんあると語っていたが、もはやそれも叶わなくなってしまった。色々な意味で実に正直であけすけだったにも関わらず、自分の内面についてはあまり話そうとしなかった。我々が知るエイミー像から判断する限り、彼女はキャリアに嫌気がさしていたという見方が強い。ジミ・ヘンドリクスやカート・コバーン同様、彼女も自分のイメージに囚われてしまったのだ。またジャニス・ジョップリンの場合と同じく、最期の瞬間に彼女の恋人もそばにいなかった。エイミーが心の拠り所とし、度々振り回してきた人々も同様だ。


・アントン・イェルチン


(Photo by Getty Images)

アントン・イェルチンは27歳の生涯で数多くの作品を遺した――2011年から2015年の間だけで声の出演を含まずに18本の映画に出演――それでもとても十分とは言えない本数だが。ジム・ジャームッシュやドレイク・ドレマス、ジェレミー・ソルニエといった先見の明を持つ監督たちから愛された繊細な俳優は、まだ絶頂期を迎えてもいないうちに、自分の車とレンガの柱の間に押し潰されるという不慮の事故でこの世を去った。だが彼は、超大作から(リブート版スタートレックで情熱的なチェコフ役を演じた)ホラーのリメイク(2011年の『フライトナイト/恐怖の夜』で物語のキーパーソンを熱演)、ミニシアター系ロマンスものまで(『今日、キミに会えたら』ではフェリシティ・ジョーンズと恋に落ちる)、輝かしい芸達者ぶりを見せてくれた。もし生きていたらどんな役者になっていたか知る由もないが、今はただ、彼が遺した功績に感謝を示すばかりだ。

註:エントリーNo.2~7、9、14、15、19は、Da Capo Pressの承諾を受け、ハワード・スーンズ著『The 27s: A History of the 27 Club through the Lives of Brian Jones, Jimi Hendrix, Janis Joplin, Jim Morrison, Kurt Cobain, and Amy Winehouse(原題)』から引用・転載しています。

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Translated by Akiko Kato

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