ローリングストーン誌が選ぶ、2020年の年間ベスト・ホラー・ムービー10選

写真左から:Universal Pictures; Aidan Monaghan/NETFLIX; Universal Pictures; Shudder Films, 2


2位『ラ・ヨローナ〜彷徨う女〜

Photo : Shudder Films

中米グアテマラの年老いた将軍(フリオ・ディアス)は、何十年間にわたって反対派の政治家たちを迫害、投獄、拷問した疑いで戦犯法廷に立つ。「過去を振り返らないで」と言う将軍の妻(マルガリタ・ケネフィック)は、夫を権力の座に居座らせるために何らかのことに関わっているかもしれないし、そうでないかもしれない。ハイロ・ブスタマンテ監督は、『ラ・ヨローナ〜彷徨う女〜』でじりじりと募る恐怖と自業自得の感覚とともに過去と、亡霊たちはいつも私たちのすぐとなりに座っているというコンセプトを見事に掘り下げる。一家の新人メイドとして突然登場するマヤ族の若い女(マリア・メルセデス・コロイ)が虐げられた人々による何らかの復讐だというあなたの予想は正しい。同作は、中枢神経系に衝撃を与えるというよりは、じわじわと広がっていくことを好む、ミステリーとイマジネーションの物語であり、それによって窒息させられるような不吉な感覚がより強く感じられる。(日本劇場公開終了)



1位『She Dies Tomorrow(原題)』

Photo : Jay Keitel/Neon Films


明日死ぬかもしれない、という拭い去れない感覚があなたの精神的なウェルビーイングを蝕むパラサイトであると同時にそれが伝染病だとしたら? エイミー・サイメッツ監督の衝撃スリラー『She Dies Tomorrow(原題)』は、明日死ぬという感覚にとらわれる、ひとりの女(インディペンデント映画のMVP女優ケイト・リン・シール)で始まる。彼女のことを心配した友人(ジェーン・アダムス)もどういうわけか、自分の死期が迫っていることに気づく。この虚無的な絶望は爆発的に周囲に広がる——それはまるで、死という現実を無視して生きる彼女たちに死のほうからOutlookにドクロマーク付きの招待状が送信されてきたようなものだ。彼女たちが共同的な自滅行為に走る姿を見れば見えるほど、観る人は、彼女たちの集団的な狂気に気づきはじめる。宿命論的な社会交流と存在主義の恐怖を描いたサイメッツ監督の不気味な作品が昨年撮影されたものであることは気にしなくていい。2020年の閉塞感をここまで正確にとらえた作品は、なかなか珍しい。(日本公開:未定)

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Translated by Shoko Natori

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