森高千里が語る、等身大の「歌手」として表現したいこと

自分に対して気持ちの余裕を感じる

―ベタな観光地に飽きた人にもオススメできるガイドブックだと思いました。ところで、熊本名物の太平燕を出すお店は東京にはないんですか?

もしかしたらあるのかもしれないですけど、私は聞いたことがないですね。東京に出てきた頃に中華料理屋に入って太平燕を注文したら、「それ、なんですか?」みたいな反応をされました(笑)。どこにでもあるものだと思ってたんですけどそうじゃないんですよね。小さい頃から知ってる味なので、地元で食べると落ち着きますね。

―『「この街」が大好きよ』は、昨年行われた「この街」TOURで回った街が紹介されていますが、久しぶりの全国ツアーをやり遂げた感想を聞かせてください。

本当に久しぶりのツアーだったので、最初は「お客さんは来てくれるのかな?」とか、「自分の体力がもつのかな?」という不安があったんですけど、1年かけて回ったこともあってスケジュールはギチギチではなかったし、そういった面では大丈夫でした。

―なるほど。

だけど、1年間風邪をひけないし体力もキープしないといけないので、そういう意味ではちょっと大変でした。でも、ツアー前から体力づくりをしていたし、コンサートをやりながらも体力がついていったので、体調が悪くなることもなくてホッとしました。

―たしかに1年に及ぶツアーとなると本当に大変ですね。体力づくりや体調管理で意識していたことはありますか?

ツアー前はジムに行ってウォーキングをしたり、自転車に乗ったり、走ったり、泳いだりということはしてました。普段の体調管理としては、移動中や寝るときにマスクをすること。めちゃくちゃ喉が弱いわけではないんですけど、乾燥するので意識してましたね。

―コンサートの客層はどんな感じなんですか。

以前来てくださった方ももちろんいましたけど、初めて来てくださる方がほとんどで、初めて行く街でも温かく迎えてくださってすごくうれしかったですね。

―以前と比べて人気の曲が変わったなんてことはありますか?

人気の曲が変わるというよりは、20代の頃はアルバム曲メインのツアーをしていたし、今回は初めての方も多いだろうなということでシングル曲メインのセットリストを組んだんです。なので、初めての方でも自然と体を動かしてくださったりしてましたね。

―以前と比べて向き合い方が変わった曲はありますか?

この1曲ということではないんですけど、20代の頃に自分で書いた詩でも、年齢を重ねていろんなことを経験したり考えていく中で、「この曲にはこういう意味も含まれてるのかもしれない」と思うこともありましたし、何十回何百回と歌い込んでる曲でさえも、今回のセットリストで歌ったことで全然感じ方が違いましたね。あと、自分に対して気持ちの余裕を感じました。20代の頃はニューアルバムを受けてのコンサートだったので、本当に必死で、歌を伝えなきゃいけないというのももちろんあったんですけど、歌詞を忘れちゃいけないとか、段取りなどが先に立って、今思うと当時は歌に対する気持ちが追いついてなかったような気がしますね。そういった意味では、わかりやすいセットリストだったので、当時とは違ったのかなと思います。

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