ローリングストーン誌が選ぶ、2020年の年間ベスト・コラボレーション・ソング

3. ミーガン・ジー・スタリオン & ビヨンセ「Savage Remix」

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音楽チャートのトップに輝いたミーガン・ジー・スタリオンにとって2020年は革新的かつ歴史的な年であり、そんな彼女の勢いに火を付けたのは「Savage」の爆発的ヒットだった。TikTokを席巻した後、ミーガン・ジー・スタリオンは同楽曲のリミックスに加わった同じく米南部テキサス州ヒューストン出身のスーパースター、ビヨンセとの夢のコラボレーションを実現させた。ビヨンセのすることはとにかくスケールが大きいので、ちょっとしたバースを一緒に歌うくらいでは終わらなかった。めくるめく表現とソーシャルメディアにぴったりの決め台詞を繰り出すビヨンセにより、「Savage Remix」は正真正銘のスタイルの融合となった。リミックスバージョンは「Savage」を音楽チャートの1位へと押し上げ、2020年初のミーガンの大ヒットとなった——彼女の勢いは、今後も続くに違いない。B.S.



4. ジャスティン・ビーバー & チャンス・ザ・ラッパー「Holy」

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バッドボーイとしての過去を後に残し、歌詞にあるように「アスリートのように祭壇に向かって駆けて行く」ジャスティン・ビーバーは、高揚感あふれる「Holy」でスピリチュアルなフェーズに突入した(ビーバーのお詫び行脚には、同じように甘やかされたスーパースターである自分自身を問い詰めた、ショーン・メンデスのニューアルバム『Wonder』に収録されているコラボ曲「Monster」への参加も含まれる)。チャンス・ザ・ラッパーに支えられながら、深い愛に照らされた道を歩むべく、新たな人生に踏み出そうとするビーバーは(「まずは父なる神を喜ばせよう/なかなか難しいかもしれないが」)、「Holy」によって当初はシンガーの魅力の源でもあった若々しく無邪気な熱意をもって宗教による救済を描いた。アコースティックバージョンもまた魅力的で、ビーバーは英国民保健サービス(NHS)のコーラス隊とのコラボバージョンのレコーディングでこの一年を締めくくった。待ちに待ったこのバージョンは、ナンバー1・クリスマス・ソングとしてヒットするかもしれない。実に崇高なプレゼントだ。J.D.



5. マイリー・サイラス & ビリー・アイドル「Nightcrawling」

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マイリー・サイラスがニューアルバム『プラスティック・ハーツ』をリリースした頃、まさにファンたちは80年代ロックにインスパイアされたアルバムを切望していた。嬉しいことに、サイラスはビリー・アイドルやジョーン・ジェットといったスターを新作に迎え、双方はそれぞれの楽曲に80年代にふさわしいノスタルジックな要素をもたらした。とりわけ、サイラスとアイドルのデュエット曲「Nightcrawling」は、華やかなシンセサイザーとパワードラム満載の魅力的な楽曲だ。というのも、ドラムを叩いているのは他でもない、フー・ファイターズのテイラー・ホーキンスなのだから。B.S.

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6. マシュメロ & ジュース・ワールド「Come & Go」

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大ヒット曲がオーディエンスに作り笑いと喉を締めつけるような悲しみを同時に強いるのは、なんだか不思議な気分だ。マシュメロとラッパーのジュース・ワールドのコラボ曲「Come & Go」は、ジャラド・ヒギンズとしてこの世に生を受けたラッパーが悲劇的な最期を遂げた7カ月後にリリースされた。驚くほどクリエイティブでモチベーションに満ちあふれていたジュース・ワールドは、2018年に音楽シーンに突如として姿を現す前から3枚のアルバムをすでに発表しており、2019年に急死したときは21歳になったばかりで、スターダムの頂点にいた。こうした背景と歌詞をよく読まない人にとって「Come & Go」はダンスフロアを沸かせるのにうってつけの曲だ。その多くは、売れっ子EDMプロデューサーおよび正真正銘のヒットメイカーであるマシュメロのおかげでもある。始まりは優美でスローだが、やがてアンセムへと発展していく。40秒が過ぎたあたりで歌のスピードが上昇すると同時にヒップホップのビートが加わる。13秒後にはオルタナティブ/ポップなギターフレーズと手拍子がリスナーをジャキジャキしたギターサウンドとレイブ向けのベースのドロップ、さらにはハイパーなパーカッションへと導いていく。サウンド的には、寝ているところを叩き起こされた、夢見心地気分のようだ。「Come & Go」は、突然堂々とした雰囲気とともに大音量になり、それがとにかく楽しい。でも「神様に祈るんだ/ましな人間にしてくださいって/たぶんそのうち/俺も何かに立ち向かうんだろうね」という歌詞に耳を傾けると、涙をこらえるのはとても無理だ。「Come & Go」は最高の楽曲であると同時に、偉大な生涯がその半ばで終わってしまったことを悲しくも思い出させてくれる。S.H.

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Translated by Shoko Natori / Written by EMILY BLAKE & ROSALIE CABISON & TIM CHAN & JON DOLAN & JON FREEMAN & DEWAYNE GAGE & SAMANTHA HISSONG & ETHAN MILLMAN & ISABELA RAYGOZA & BRITTANY SPANOS

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