リンゴ・スターの2020年総括、ポールとの変わらぬ友情、ビートルズ時代の記憶

リンゴ・スター、2019年ロサンゼルスにて(Photo by Rebecca Cabage/Invision/AP)


レヴォン・ヘルムとの共演から学んだ教訓

ーオールスター・バンドの新著も出版なさいますよね。これはどういった経緯ですか?

リンゴ:オールスター・バンドの30年間が詰まった本だ。バンドを結成したのは1989年――「そういえばバンドがいないな」と思って、電話帖を開いて電話をかけていったら、みんな「イエス」と答えてくれた。最初のオールスター・バンドでは、もちろん俺もドラムだが、レヴォン・ヘルムに参加してもらった。彼はドラムと歌どちらもいけるからね。でもまだ足りないと思って、反対側にはジム・ケルトナーを据えた。そう、あの当時はドラマー3人だったんだ!

バンドには素晴らしいプレイヤーが大勢参加してくれた。バンドメンバーは常に入れ替えているが、それはひとえに曲のため。必ずヒット曲をやるというのが、オールスター・バンドの売りなんだ。毎晩トッド・ラングレンに「バング・ザ・ドラム」をやってくれ、と頭を下げるのは疲れたよ。彼は「バング・ザ・ドラム」以外の曲ならなんでもやりたがっていた。「トッド、頼むよ。客は『バング・ザ・ドラム』を待ってるんだ」。でも、みんなベストを尽くしてくれる。それが何よりだ。もちろん、時にはここらで一息つこうかと思ったこともあったがね。

ーあなたが一息つこうと思ったことがあるなんて、信じがたいですね。

リンゴ:30年間で2回なら、まあ悪くないだろう。でもレヴォンはすごかった。時々、全力でプレイしてももうまくいかないことがたまにある。彼はよく、ステージを降りる俺にこう言ったもんだ。「大丈夫、ボス、明日は上手くいくさ」。それ以来ずっとこの言葉を胸に刻んでいる。

ずっとバンドでやりたいと思っていた。俺1人で、しかもドラムで(クルーナーヴォイスで歌い出す)「マーイ・ウェ~イ♩」なんて、俺にはできないよ。うまくいくわけがない。だから俺にはつねに演奏してくれる仲間が必要なんだ。ミュージシャンと一緒に一晩中演奏するのは最高だね。独りで演奏するなんて、俺には無理だ。面白くもなんともない。

新曲「ヒアズ・トゥ・ザ・ナイツ」ではデイヴ・グロールとベン・ハーパーに電話した――最初にあの2人に声をかけた。「月曜の予定は? こういう曲があるんだが、ヴォーカルを手伝ってほしいんだ」「OK」 ベルが鳴ると、玄関には2人が立っている。ドラムの鳴りがいい別室に行って、演奏する。そういうのが好きなんだ。

ーもう1冊の本、絵画集のほうはいかがですか?

リンゴ:タイトルは『Painting Is My Other Madness(絵を描くことは俺のもうひとつの狂気)』。「Drumming Is My Madness(ドラムをたたくことは俺の狂気)」というのが俺の口癖だからね。絵を描いてたおかげで、パンデミックを乗り切ることができた――EPと絵のおかげさ。

ー本2冊にレコード1枚――あなた以外の人が怠けてるように見えますね!

リンゴ:(大きく笑って)だったら、重い腰を上げて行動するんだね!


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From Rolling Stone US.

Translated by Akiko Kato

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