リンゴ・スターの2020年総括、ポールとの変わらぬ友情、ビートルズ時代の記憶

リンゴ・スター、2019年ロサンゼルスにて(Photo by Rebecca Cabage/Invision/AP)


ポールとの長きにわたる友情

ーあなたの音楽は常に人々を結び付けるものばかりだと思いますが、どうでしょう?

リンゴ:それがミュージシャンの仕事、俺たちの仕事さ。だから俺はライブが好きなんだ。自分に愛が向かってくるのを感じたい。わかるかい? 愛を感じて、愛で答える――スピリチュアルなんだ。だから今までずっと続けているんだと思う。(1963年に)イングランドでヘレン・シャピロのオープニングアクトをやった時のことを思い出すね。俺たちは彼女のバンドの前座で3曲演奏した。あの時、俺は彼女にこう言った。「おいくつですか? 40歳? まだ現役でやってるんですか?」 あの年頃だと、5年でもかなり長く感じられるもんだろう。それが今じゃ俺も80歳で、いまだに音楽がやめられない。

ーリモートで音楽を演奏してみて、いかがですか?

リンゴ:友情がものすごく大事になる。今は、みんなで集まるにはZoomが唯一の手段だ。俺たちが最初に「カム・トゥゲザー」をやった時、全員が同じ部屋にいた。でも今は「OK、君はここ、俺はここ」。でもそれが唯一の方法だから、素晴らしいミュージシャンたちは最大限に活用している。それしか手がないならOK、それでいこうってね。

俺はつねにミュージシャンと一緒にいるのが好きだった。曲は何でもいい、一晩中演奏に付き合ってられる。1人でじっとしていられないタチなんだ。とにかく一緒に演奏してくれる相手が欲しい、そしたらずっと演奏するよ。

ーこの夏80歳のバースデーを記念した特別番組では、相当な数の友人と演奏していましたね。

リンゴ:ああ、昔はハリウッドに2000人が集まったもんだ。バンドが俺のためにバースデーソングを演奏して、ケーキも用意してね。今年はそういうのは一切なし。でも実際どう祝ったかというと、ここだけの話――バーバラと車でビバリーヒルズまで飛ばしたんだ。そこには「平和と愛」といって、俺の手をかたどった高さ7フィートの彫刻があるんだ。そこに行って、彫刻と並んで写真を撮った。でも秘密だぜ。

ーあなたの手元に残ったのは1枚の写真だけ(All you’ve got is a photograph)。

リンゴ:そういうこと。冗談はこのくらいにして。でも真面目な話、友達には本当に世話になった。それだけは本当さ!

ー友人のポール・マッカートニーは新曲のビデオにも出演しています。彼自身も『マッカートニーIII』をリリースしましたね。

リンゴ:ああ、そうなんだよ――彼はなんでもござれ。今回は彼にとっての第三段階、あるいはシリーズ3。それもたった50年間で。彼とはこっちで一緒に、ドジャースタジアムのステージで演奏した。いい関係だ。彼がこっちに来たときは立ち寄ってくれるし、俺がレコードを作るときはいつも彼のために1曲用意しておく。彼はいまでも、人生であった中でもっとも才能のあるベースプレイヤーだ。うまいヤツはごまんといるが、彼ほどメロディアスな演奏をする人間は見たことがない。しかも彼はこっちの意図をすぐに理解してくれる。ベースとドラムだから、一緒にバンドをやってた時は何度か意見を戦わせたこともあったし、お互い踏み込まないようにしていた。だがいったん踏み込んでからは、ぐっと親しくなったよ。

Translated by Akiko Kato

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