リンゴ・スターの2020年総括、ポールとの変わらぬ友情、ビートルズ時代の記憶

リンゴ・スター、2019年ロサンゼルスにて(Photo by Rebecca Cabage/Invision/AP)

リンゴ・スターは2020年も「平和と愛と音楽」に大忙し。最新EP『Zoom In』、ポール・マッカートニーとの長きにわたる友情、自宅検疫中に正気を保つ秘訣などを語ってくれた。

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リンゴ・スターは80歳になったばかりかもしれないが、悠々自適な生活をしていると責めることはできない。ビートルズのドラマーは、長年続けているオールスター・バンドのツアーこそできなかったものの、今年も音楽活動に大忙しだ。最新シングル「ヒアズ・トゥ・ザ・ナイツ」は、誰もが辛い思いをした2020年の年末に合わせて鳴り響く、まさにリンゴ流の愛と平和の讃歌だ。「ヒアズ・トゥ・ザ・ナイツ」では友人たちの手も借りている。リモートでヴォーカルに参加したのは、デイヴ・グロールやレニー・クラヴィッツ、シェリル・クロウ、クリス・ステイプルトン、ベン・ハーパー、義理の弟でもあるジョー・ウォルシュなど他多数――もちろん、イギリスを背負って立つベースプレイヤー、ポール・マッカートニーもだ。

3月、リンゴは自宅のスタジオで5枚組EPの制作に取りかかった。タイトルはずばり『Zoom In』。ロック界でもっとも愛される人物――もっとも社交的なレジェンド――にとって、ソーシャルディスタンス時代の音楽制作に慣れるのは大変だった。だが彼本人もつねに言っているように、何事もそう簡単にはいかない。「ヒアズ・トゥ・ザ・ナイツ」はダイアン・ウォーレンが歌詞を手がけた、ヒネリの利いた合唱曲。リンゴいわく「大晦日に、俺たちと一緒に声を合わせて歌ってくれたらうれしいね」

サー・リンゴはこの夏80歳の誕生日を祝して特別TV番組に出演し、マッカートニーとの「ヘルター・スケルター」など、友人らとリモート共演を果たした。2冊の書籍も出版を控えている。Julien’s Auctionから出版される『Ringo Rocks: 30 Years of the All-Starrs』は変幻自在なスーパーグループの回顧録で、ウォルシュが序文を書いている。さらに自身2冊目の画集も抱えており、『Painting Is My Other Madness』という絶妙なタイトルがつけられている。我々はこうしたリンゴのスピリットにいつも救われる。だが今こそ、かつてないほど彼の存在が必要とされている。

リンゴはZoom取材に応じ、「ヒアズ・トゥ・ザ・ナイツ」について、ビートルズ時代について、ドラムを演奏することや絵を描くこと、自宅検疫中に正気を保つ秘訣、カセットテープの再燃、マッカートニーの最新アルバム、そしてレヴォン・ヘルムとの共演から学んだ教訓を語ってくれた。

Translated by Akiko Kato

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