BiSHモモコグミカンパニーと遠野遥が語る「書くこと」の意味

左からBiSHのモモコグミカンパニー、遠野遥(Photo by Kana Tarumi)



私たちにしか出来ないこと

モモコ:普段音楽とか聴きますか?

遠野:聴いてますね。それこそ対談の話をいただいてから、BiSHのMVとか――前から見てたんですけど、より意識して見るようになって。「My landscape」のサビに出てくる八の字を描くようなダンスが好きで。曲も好きなんですけど、小説書いている時、肩をほぐす時にサビのフリをしてます。



モモコ:めっちゃ面白いですね(笑) 。考えたことなかったです。肩ほぐしとしての動きだとは。

遠野:助かってます。

モモコ:これからも使っていただいて(笑)。

遠野:はい。「My landscape」はずっと聴けるなって思いましたね。実際ずっと聴いてて。1日8時間ぐらい延々とリピートして聴いたりとかもしてて。

モモコ:それ最高記録かもしれないですね!

遠野:サビのメロディがすごくいいなと思います。サビ前の「まだリスクリスク~」と「またいつかいつか~」の部分もいいですよね。

モモコ:好きな曲を延々とリピートするタイプなんですか。

遠野:そうですね。執筆する時って、曲を切り替えないほうが集中ができるから。8時間聴きながらずっと書いてる、みたいな感じですね。

モモコ:そういう意味で「My landscape」はちょうどいいかもしれないですね。歌詞も記号的というか、あまり意味のない感じなので。曲の長さもちょうどいいし。

遠野:前までは、音楽聴くのって、年上の人が作ってるのを聴いてるイメージだったんですけど、自分が29歳になると下の世代の人も良いのを作ってるなぁっていうのを、感じるようになってきて。King Gnuの常田(大希)さんとかも一個下なんですよね。すごいなーって思って聴いてますね。

モモコ:遠野さん自身もそうなんじゃないですか。小説界の中では。

遠野:そうですね。わりと若いですね。

モモコ:若い人にしか書けないものもあるはず。経験積んだ人だから書けるものと、全然そうじゃない人と。

遠野:そうですね。

モモコ:私も一作目では、学校では体育と音楽ができなかったタイプなのにBiSHみたいなグループに入ることになって……っていう、自分の中での葛藤や不安を元に書けたんですけど、それと同じものは今書けないと思ってて。昔と比べると、いろいろこなせるようになってしまったから。そう考えると日記も、自分の中にある言葉、今の自分だから書ける言葉っていう面で大切なのかなと思いました。

遠野:日記を書いてるとたぶん変化にも気づけますよね。この時こういう風に考えてたけど、だんだん変わってきたなっていうのを、日記を読み返すことによってわかるんじゃないのかな。

モモコ:私は今のところエッセイしか書いていないので。自分の人生の中で見たきれいなものとか感動した景色とか、めちゃくちゃ最悪だったこととか嫌なアイツの言葉とかっていうのを、絶対に忘れたくないっていうか。それを写真で残すっていう方法もあると思うんですけど、私は書くことが残す作業としてしっくり来ていて。忘れたくないからっていう動機が一番なんですけど、遠野さんは小説を書く意味って、考えたりしますか?

遠野:いや、あんまりそういうのを考えないタイプで。他に特別なスキルを持ってないから小説を書いてるって感じですかね。例えばめちゃめちゃ絵が上手かったり、歌が上手かったりしたら、そっちも考えると思うんですけど、そういうスキルが何もないので。とりあえず書けるものを書いてるっていう感じです。

モモコ:最大限の自分を表現できる場所みたいな?

遠野:そうですね。自分が出来ることをやってるだけです。

モモコ:私もそう言ってみたいです! 自分が出来ることをやるだけって。遠野さん自身はその先にやってみたいことってありますか。小説でも小説以外でも。

遠野:それこそ交換日記みたいなことはやってみたいですね。そういう依頼とかも来てたりするので。

モモコ:交換日記の依頼ですか?

遠野:ほかの作家さんと文通みたいなことをやってくださいという依頼ですね。やってみたいっていうか、もうやることが決まってる仕事ですけど。

モモコ:文通面白いですよね。LINEとかあるのに、わざわざ時間のかかる方法を選んでっていう。

遠野:しかもそれが世間に出て読まれるので。LINEの閉じたやり取りと変わってくるじゃないですか。それも含めて面白そうだなって。作家の人もそうだし、こうして作家以外の人ともお話しするのは続けていきたいなって思ってます。

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