PassCodeが武道館に立つ意味、サウンドプロデューサーと南菜生が語るグループの軌跡

サウンドプロデューサーが描いた最新アルバムの「設計図」

―ということは、例えば「Seize Approaching BRAND NEW ERA」は「STARRY SKY」のカップリング曲ですけど、その時点でアルバムを見据えて作っていたということですよね。

平地 でも、カップリング曲にも初回限定盤に入る曲と通常盤に入る曲の2種類があるんですけど、作った段階ではどっちのカップリングにするかは決まってなくて、「この曲はアルバムに入れたいからこっちのカップリングにしよう」っていうふうに決めてます。

―ん? それはどういうことですか?

平地 なぜかいつも初回限定盤のカップリング曲をアルバムに入れることになってるんです。でも、今回はスタッフとちょっとした議論があって、「ATLAS」初回盤のカップリングで今作の11曲目に入っている「GOLDEN FIRE」は、同じく「ATLAS」の通常盤に入ってる「Future’s near by」とどっちにするかギリギリまで迷ってたんです。どちらも入れる案もあったんですけど、それは違うかという話になってこうなりました。

南菜生 そうなんや。「Future’s near by」は初回盤じゃないから最初から入らないと思ってたんですよ。「GOLDEN FIRE」も「Future’s near by」もライブの主要曲になってて、メンバーの中でもカップリング以上の価値がある存在なのでどっちが入ってもおかしくないと思ってたけど、アルバムの聴き心地を考えると「GOLDEN FIRE」やったんかなって。

―今回、作品全体の設計図を作る時点でどういう作品をイメージしていたんですか?

平地 これまでもアルバムのテーマはなんとなくあって、1stアルバム『ZENITH』は激しい曲ばかりが入った、PassCodeの挨拶代わりになるようなアルバムにしようと思っていて、2ndアルバム『CLARITY』でバラエティ豊かになって、その2枚を経た上で、今回はふたつのアルバムのいいところを取ることでアップデートしたいと思ってて、『CLARITY』みたいな幅広さもありつつ、『ZENITH』みたいな激しい曲もある新しいものにしたいと思ってました。





―なるほど。『ZENITH』以上に激しいし、『CLARITY』以上にメロディアスでキャッチーなものになったと思います。やちいさん(南の愛称)は今作についてどう感じてますか?

南 録ってるときよりも出来上がってからのほうが好きでよく聴いてます。自分たちの曲をアルバムリリース前に繰り返し聴くことはあまりないんですよ。練習とか振り入れの時に聴きたくなくても聴かなきゃいけないんで(笑)。だけど、今回のアルバムは何か作業しながら聴くことが多くて、それはメロディがよくなって聴きやすい曲が揃ってるからなんだと思います。

―今作はアルバムの流れがすごくいいと思うんですが、それは最初からしっかり設計図ができていたからなんですね。

平地 僕の目標どおりになったのでうれしいです。

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